『あした話したくなる ふしぎすぎる数の世界』( 横山明日希監修/朝日新聞出版)「いん石に当たる確率は、宝くじに当たるよりも高い」「新聞を42回折ると月まで届く」――「へぇー」とうなって、思わず誰かに話したくなる数や算数、数学にまつわるトピックを50本収録。小学校低学年からでも読めて、まさしく「算数を楽しむ」ためのきっかけになる本。横山さん監修。※Amazonで本の詳細を見る
『あした話したくなる ふしぎすぎる数の世界』( 横山明日希監修/朝日新聞出版)
「いん石に当たる確率は、宝くじに当たるよりも高い」「新聞を42回折ると月まで届く」――「へぇー」とうなって、思わず誰かに話したくなる数や算数、数学にまつわるトピックを50本収録。小学校低学年からでも読めて、まさしく「算数を楽しむ」ためのきっかけになる本。横山さん監修。
※Amazonで本の詳細を見る

「言ってもいいんですが……、そうすると、大人が考えている枠のなかのことしかできなくなる。子どもは大人が思っている以上に柔軟な考え方をもっている。子どもを観察し、その子が興味をもっていることに寄り添って、その関心を拡げてあげられるような働きかけを親はしてあげてほしいです」

 そうやって子どもたちが発見したことを、うまくアウトプットできるようにしてあげることも大切だ。

「テストでもただ点数についてあれこれ言うのではなく、『どこをどうやったらうまくいったと思う?』と問いかけて、自分の理解していたことや理解できていなかったことを、算数の言葉で言語化できるようにしてあげてほしいです」

 日本の算数・数学教育では「『理解がゆっくりな子』が置いていかれていることが、一番気になります」と横山さんは言う。

「学ぶペースを考えたときに、慎重な子は授業のスピードに置いていかれてしまう。それで、算数や数学が苦手になり、嫌いになってしまいます。授業を聞いてから、考えて自分の中に落とし込む時間がかかる子は、理解できるまでにサポートや反復が必要だから、授業だけだと理解に至らないのです」

 算数や数学への向き合い方は本来人それぞれのはずだ、と横山さんは言う。

「算数をつかって考えたり、遊んだり、何かを発見したり。算数や数学に対する向き合い方は人それぞれ、たくさんあります。そこから算数や数学への興味が育ち、好きになっていく。どれがその子にぴったりな向き合い方かはわからないから、親はできるだけ、勉強以外でのたくさんの向き合い方を、親自身も楽しみながら提示してあげてほしいんです。算数が苦手でも、大人なら楽しむことはできるはずです」

 算数で「遊ぶ」題材のひとつとして横山さんがすすめるのが、「フェルミ推定」だ。フェルミ推定とは、たとえばこんな問題に使われる。

給食に出てくるスパゲティー、全校生徒分つなげたら何メートルになる?」
「私たち何人が手をつないだら、地球をぐるっと1周できる?」

暮らしとモノ班 for promotion
2024年の『このミス』大賞作品は?あの映像化人気シリーズも受賞作品って知ってた?
次のページ
フェルミ推定とは?