筆者がまず注目したのは、相対して座る2人の後方にある大統領の執務机に置かれている筆立てだ。左右二つあるうちの右の方。ロシアらしく緑色が鮮やかなクジャク石製で、鉛筆とさまざまな色鉛筆が立っている。問題はその並び方だ。
「写真2」と「写真3」、つまり18日と23日は、同じ鉛筆が同じように並んでいるように見える。しかし、22日だけ様子が違うのだ。18日と23日の写真で一番目立つのは、右側に飛び出しているオレンジ色の鉛筆だが、22日の「写真1」ではこれが見当たらない。
18日に並んでいた鉛筆が22日には一度乱れて、23日にまた元通りになったというのだろうか。
おかしな点は、これだけではない。左の筆立ての横には、メモ用紙のようなものを束ねて立ててある。この部分をよく見てみよう。「写真2」と「写真3」では、メモ用紙の束のうち一番右の一枚だけ、少しずれて浮き上がっているが、「写真1」ではきちっとそろっている。
18日にずれていた束が22日にそろえられて、23日に再び5日前と同じようにずれたのだろうか。
問題の部分を拡大したのが「写真4」と「写真5」だ。「写真4」は筆立て。「写真5」はメモ用紙の束。「写真1」「写真2」「写真3」の3枚だけでなく、8月24日に発表されたモスクワ州知事との面会の様子も加えて、4日分を比較している。
筆立てもメモ用紙も、18日、22日、23日、24日のうち、22日だけ様子が異なっているのが分かるだろう。
さらに「写真6」では、プーチン氏の靴に注目してみた。靴の甲の縫い目のラインに注目すると、やはり22日だけ違う靴を履いているようだ。
スペースの都合で載せられなかったが、8月17日に公式サイトに公表されたコミ共和国首長臨時代行との面会の写真でも、筆立て、メモ用紙、靴の3カ所の特徴がいずれも18日、23日、24日と一致していた。22日だけ別物なのだ。
これはいったいどういうことだろう?
真相はおそらくこうだ。