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 こんなことを書くと、「そもそも揉めない関係性を作るのが大事じゃない?」と思われるはずです。そこは全くその通りなのですが、時々ある「でもここはどうしても譲れない」という部分を、どうすれば彼に上手に伝えられ、可能であれば自分の意志をなるべく通す結果に持っていけるのか?

 それが知りたかった私は、議論をしている時の彼の傾向を観察するようになり、いくつかの特徴に気がつきました。まとめると以下のようなものでした。

・感情論が嫌い
・根拠の無い意見が嫌
・嘘が嫌い
・同じ話を繰り返されることが嫌い

■感情ではなくファクトで話す

 誰でも感情的になっている人よりは、冷静な人と話をしたいものです。

 昔の私は、うまく言い返せない、思うようにことが運ばない時に、ついカッとなって感情的になってしまうことが多くありました。

 そのような状態では建設的な話し合いは難しく、一方で、彼が私に対して声を荒げたことはほとんど無いように思えます。思い返すと理不尽な内容も無くはないのですが、ここに関しては私の良くない点なので、なるべく冷静に話をしなければならないと考えました。

「どんなソファがいい?」と聞く彼に、私は慎重に答えました。「2人でゆったりと座れる、大きなソファが欲しい」、すると、彼はこう言いました。

「大きなソファなんて場所取るだけじゃん! 部屋が狭くなるよ?」

「なん……だと……? いや、そもそもお前が毎回ソファを占領して、その上周りにグチャグチャ物を置きまくってるから私が座れないんだろうが? 大体私が何年我慢していると思ってるんだーー!」

 ……と、思わず突っ込みたくなる気持ちをグっとこらえ、冷静に冷静に……と自分に言い聞かせてこう続けました。

■意見に至る根拠を述べる

「これまでずっと私もソファを使いたかったけど、あなたはスペースの殆どを占領していたし、座りたいと言ってもなかなか場所を空けてくれなかったよ。あなたはそのスタンスを変えなそうな気がするし、今回あなたの方から意向を聞いてくれたから、私は希望を伝えたの。

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目的は相手を言い負かすことではない