残る1人、高卒2年目の内山壮真(19歳)は“未来の正捕手”と期待されるホープだ。石川・星稜高では、2年夏の甲子園で1学年上の奥川とともに準優勝。当時は遊撃手で、3年から正捕手となり、センバツの代わりに開催された甲子園交流試合にも出場した。

 ヤクルトには2020年のドラフト3位で入団。プロ1年目の昨シーズンは、4月初旬に早くも一軍昇格を果たした。ヤクルトの高卒捕手でいえば、古賀は1年目の6月(出場はなし)、中村の場合は9月下旬の初昇格で、異例ともいえる早期の一軍昇格は、内山に対する期待の大きさをうかがわせるものであった。

 目を引くのはなんといってもバッティングである。身長171センチ、体重71キロという小柄な体格ながら思い切りのいいスイングで、昨年はファームで74試合に出てチーム2位タイの8本塁打とパワーを発揮した。一軍ではヒットを打つことができなかったものの、イースタン・リーグ優秀選手に選ばれ「来シーズンは一軍の舞台でもしっかり成績を残せるように頑張りたいと思います」と誓った。

 2年の今年は、浦添の一軍キャンプメンバーに抜てき。臨時コーチとして指導に当たった球団OBで元監督の古田敦也氏を「体はちっちゃいですけど、バットのスイングの速さとか(練習で)スタンド中段まで放り込むパンチ力があるし、スローイングを見てもけっこう強い球を投げる」と唸らせた。

 念願のプロ初安打が飛び出したのは、代打からの途中出場となった3月25日の開幕戦。ここまで代打起用は川端慎吾、濱田太貴に次ぐチーム3位の6回を数え、開幕戦のように劣勢の展開では、代打に出てそのままマスクを被るケースも目立つ。スタメン出場こそ3試合にとどまっているが、捕手としての経験もしっかり積みながら、今はその1つひとつを今後の糧にしていく時期だろう。

「それぞれ特徴があって、それぞれいいところもあり、それぞれできないこともある。ちょっと表現は違うかもしれないですけど面白いですよ、使ってる方としては。3人がどういう気持ちでやってるかはちょっとアレですけども、いい刺激をし合える3人になってるのかなっていう感じはします。たくさん経験させて、次のステップへと思っています」

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中村復帰までの3人の奮闘に注目