庭にも出て、若い頃は木登りもしました。でも春先に子スズメを追い、隣の家の屋根から下りられなくなってギャーギャー鳴き、脚立をかけて、下ろしてあげたこともあったっけな。10歳を過ぎても外に出たがっていましたが、ボクが少し体調を崩し、またご時世的に自由に外に出すのがはばかられたこともあり、“リード”をつけて散歩させるようになりました。

 
 ボクが散歩に行きたいと訴える時は、私は24時間いつでもお供したものです(笑)。昼間には3回くらい、夜中でも行きたいといえば、お付き合いしました。
 
 抱っこはさほど好きでなかったけど、私がソファに座ってテレビを見ていると膝に来るので、ボクの気のすむまで膝に載せて、ソファに座っていましたね。ボクは、私に何かしてほしいことがあると、前脚で“ちょんちょん”と合図のように私の手や足に触れました。
 

初孫を見守るように寝た優しいボク
初孫を見守るように寝た優しいボク

■優しくビビりなボクが好き
 
 ボクは優しい子だったと思います。先輩が弱ってきた時は寄り添って寝たし、孫が赤ちゃんの時にも、寄り添って寝たりしていました。
 
 怖がりの面もあり、11年前の地震の時は驚いて外に飛び出し、一昼夜戻ってこなかったんですよ。その後、小さな地震のたびに、照明器具をじっと見つめて。また、サッシ前を猫が通ったりすると、「なにごと?」と思うほどけたたましい声で鳴いたものでした。
 
 以前、隣の家のご主人に「ボクちゃんはこの辺のボス」と言われたこともありますが、多分怖くて大声を出していたのでしょう。強いボスどころか、ビビりなボクでした。
 
 でも私は、そんな怖がりで優しいボクが大好き。家でもめごとがあったとしても、ボクがいることで心が落ち着きました。とくに、主人が体調を悪くしてからは癒やされましたね。
 
 主人は5年前に腎臓を悪くして、週3度の透析を受け、その後、転移したガンが見つかりました。家のベッドで療養していると、ボクは下で寝たんですよ。今になって思えば、その時ボクも少し体重が落ちていた。年を取ったのかなと思っていたましたが……。
 
 

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