「中古相場というものがあります。会社の担当者は血眼になって、秒単位で相場を見ています。うちがつける値段が、業界のベンチマーク(指標)になっているとの自負はあります。大手キャリアの中古販売に関しては、あくまで『回線契約時のラインナップの一つ』だと思うので、そこまで細かく相場を追ったりしないと思います。うちとはターゲットの層が異なりますね」(奥野さん)

 中古スマホ専門店で買うメリットについては、こう話す。

「大手キャリアの中古スマホは回線契約とセットでの新規契約・機種変更、またはMNPという感じで回線契約とセットでの購入になります。中古端末だけを買えるわけではありません。うちでは中古端末だけを買えますし、キャリアよりも安い。買い取りもできます」

 アメモバの清水さんも、

「買い取りは、現物を持って来店していただければ、その場で査定して現金を渡しています。郵送でも受け付けています。ユーザーさんからしてみれば、すぐにスマホを現金化できるというメリットがあると思います」

 と買い取りの強みを強調する。

 大手キャリアは価格帯についてはどんな方向性を考えているのだろうか。前出のドコモの藤田さんが話す。

「中古市場というのは、すでに一定程度、成長していると理解しております。今の私どもの戦略としては、『ドコモの認定品』というスタンスで勝負したいと考えていますので、価格競争をはかろうという考え方ではないですね」

 つまり、大手キャリアとしての信頼感、安心感といったものをウリにしていくということだろう。

 では、今後の中古市場は、どのような展開を見せるのだろうか。

 MM総研の横田さんは、

「市場的には認知度が高くなってくると、中古端末の需要は伸びると思います。海外をみていると、中古端末の比率が日本よりも高いので、海外と足並みをそろえていくようになれば、中古市場は広がる可能性はすごくありますね」

 との見方を示す。

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大手キャリアが店頭販売を始めると大きく変わる可能性