そして、金額と同様に、以前に比べて性能も上がっている。

「スマホが出たばかりの2007年ごろは、バッテリーがすぐにダメになって、ほとんど使い物にならなかったんです。しかし、今は性能が上がり、バッテリーの寿命も延びています。中古端末のクオリティーが上がってきて、大手キャリアのお墨付きで売ることができるレベルにまでなってきたんです」(横田さん)

 さらには、スマホの性能をどこまで求めるかによっても、新品である必要がなくなってくる。

「1年前のモデルと最新のモデルではもちろん、性能は違うんですけど、そこまで大差はない。こだわる人にとっては微妙な差が買い替えるポイントになるんですけど、そうでない方にとってみれば、1年落ちの端末でも求めている性能は十分に出ます」

 そして、これまで抱いていた「中古」への概念が変わってきたことも大きいという。

「携帯電話は肌に触れるものでもあるし、毎日使うものなので、これまでは中古のイメージはよくなかったんですよね。それが最近だと、特に若い層では『メルカリ』などのサイトを使って、どんなものでも中古品を売買する文化が作られてきた。そういった市場の変化を受けて、大手キャリアが中古スマホを販売し始めたのだと思います。新規端末を売りたいのは変わらないのですが、そこにばかりこだわってユーザーの獲得がおろそかになるよりは、中古端末も扱って選択肢を増やすという目的があるんですよね」

 ちなみに、各社が売り出しているiPhoneXシリーズ。中古市場での人気は高いようだ。前出のイオシスの奥野さんがこう話す。

「XシリーズはiPhoneが『超高級機』になったきっかけの端末です。うちでも今、一番の売れ筋が『XS、256G』(3万4800円)です」

 これがドコモオンラインショップでの中古Bランクになると5万400円。イオシスの方が1万5千円以上安いことになる。

 これだけ強気な金額をつけられるのはなぜだろうか。

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中古スマホ店のメリットは買い取り