最新のiPhone13も(イオシス アキバ中央通り店)
最新のiPhone13も(イオシス アキバ中央通り店)

「直営店では売り上げ、買い取りともに前年比2倍増で伸びています。当社は新品や中古のスマホを香港、ドバイなどの海外へ輸出しているので、円安がものすごく追い風になっています」

 デジタル産業の調査・コンサルティングをする「MM総研」(東京都港区)の調査によると、2020年度の中古スマホの販売台数は、過去最高の185万台を記録し、21年度は204万台と予測している。今後も拡大傾向にあるという。

 大手キャリアの動きでは、ドコモが3月から「docomo Certified(ドコモ認定中古)」として、中古スマホの提供を始めた。同社営業戦略部の藤田勇輝・営業戦略担当課長は、中古市場に参入した狙いについてこう説明する。

「昨今、中古スマホの市場が拡大しています。世の中のリユースへの意識の高まりといったものもありますので、お客さまの幅広い需要に対応するために、リユース品の販売について検討しました。準備をして、このたび販売を開始できたということです」

 現在、ドコモが販売する中古スマホは、iPhoneX/XS/XRの3モデル。ストレージ容量やグレードと呼ばれる端末の状態の違いを考慮すると24種類。Xが発売されたのは17年、XSとXRは18年なので4~5年前のモデルだ。

 傷、汚れ、使用感などの状態によって「A+ランク」「Aランク」「Bランク」と三つのグレードに分類されている。

「どのグレードであっても、端末の基本機能についてはドコモの検査をクリアしたもののみとなっており、バッテリー容量も80%以上を保証しております。外装(傷や汚れ)の状態の差によってA+、A、Bの三つのグレードに分けており、一番低いBランクであっても、細かな傷や汚れがあり使用感がありますが、比較的状態が良好なものです」(藤田さん)

 中古スマホは店頭販売せず、オンラインのみで販売。試しに、ドコモ公式のオンラインショップを見てみると、「在庫なし」の売り切れ状態のものが半数近くある(5月27日現在)人気ぶりだ。

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大手参入の背景に新品の価格高騰も