王子駅前。1950年代に製造された都電の軽量車が顔を合わせた貴重な一コマ。双方とも自重12tで、右側の8000型は1956年から131両が量産された。左側の2500型はバス車体メーカーで製造された。木造車の鋼体化名義で、D10Nを改造した台車を流用していた(撮影/諸河久:1964年5月16日)
王子駅前。1950年代に製造された都電の軽量車が顔を合わせた貴重な一コマ。双方とも自重12tで、右側の8000型は1956年から131両が量産された。左側の2500型はバス車体メーカーで製造された。木造車の鋼体化名義で、D10Nを改造した台車を流用していた(撮影/諸河久:1964年5月16日)

 最後の写真は王子駅前停留所でバス車体構造の2500型と顔を合わせた32系統荒川車庫前行き8000型。この8046は1957年ナニワ工機の製造で、1972年に廃車されるまで荒川車庫を離れなかった。

 左側の2500型は、杉並線の木造車の鋼体化改造車で8両が製造された。写真の2505は都電で初めての試みであるバス車体メーカー/富士自動車伊勢崎工場の製造で、就役は1959年3月だった。

 2500型も自重12tの軽量車で、杉並線の廃止後は改軌改造を受けて1964年4月から荒川車庫で再起した。1968年に再転属した早稲田車庫で廃車されている。

■撮影:1967年10月21日

◯諸河 久(もろかわ・ひさし)
1947年生まれ。東京都出身。写真家。日本大学経済学部、東京写真専門学院(現・東京ビジュアルアーツ)卒業。鉄道雑誌のスタッフを経てフリーカメラマンに。著書に「都電の消えた街」(大正出版)、「モノクロームの私鉄原風景」(交通新聞社)など。2019年11月に「モノクロームの軽便鉄道」をイカロス出版から上梓した。

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