積極的に太陽を画面に入れて撮ろうと思うようになったのはニコンからZシリーズが出て、このようなレンズを使うようになってから。完全逆光のシーンでもNIKKOR Z 14-30mm f/4 Sはゴーストやフレアがほとんど出ない。だから、いくら明るく写してもクリアな画面が得られる。ニコンによると「光学設計の配慮と相まって逆光耐性に優れている」という。いままで、こんな明るさで撮ることはなかった。実際はかなり暗い条件でも、光があるかのように撮れる。これは新しい撮り方だな、と思う。
絞り込むと光芒がはっきりときれいに出るのも特徴。レンズのコントロールリングの機能をカメラのカスタムメニューで絞りや露出補正に設定することで、撮影に集中しやすくなる。ズーム全域で最短撮影距離28センチと、近寄れるから小さな被写体でも大きく、背景も広く入れて撮れる。約485グラムと軽くてかさばらず、長時間でも手持ち撮影しやすいのもありがたい。(三好和義)
■パナソニックLUMIX S PRO 24-70mm F2.8
パナソニック初のフルサイズカメラ、LUMIX S1とS1Rは風景写真における撮影動線が考えられたカメラで、とても使いやすく、すぐ手になじんだ。解像度の高さなどの優位性だけではなく、これまでのパナソニックのカメラに受け継がれてきた描写性、つややコクのような味を継承している。それを相乗効果で高められるのがこのLUMIX S PRO 24-70mm F2.8だ。
周辺部の像の流れはとても少なく、解像力も申し分ない。先に書いたように、しっとりとしたコクと鮮やかさを合わせ持った色のりのよい写りをする。上の写真の植物など、微細部分を再現する能力は非常に優れている。絞り開放時の解像力の高さはもちろんのこと、大きなフルサイズセンサーを搭載しているので思い切り絞り込んでも描写のあまさを感じない。立体感のある再現性、極めて自然なボケによって被写体の存在感が高められる。作品づくりがとても楽しくなるレンズだ。(高橋真澄)