
●レンズ構成:11群16枚
●最短撮影距離:0. 27メートル
●フィルター径:使用不可
●大きさ、重さ:Φ95.4×126ミリ、1120グラム
●価格:税別標準21万9000円(税込実売18万5200円)
シグマは14ミリの先駆者である。1991年には14mmF3.5(AFとMF)を発売。当時の感覚では、超広角を追い越した超超広角であり、なんとも新鮮であった。以来シグマの14ミリは歴史を重ね、シグマファンにとってはスタンダードな超広角になっている。もちろん、現在のまなざしでも、フルサイズ114.2°という画角は新鮮だ。その14ミリが最新Artシリーズに至り、開放F値は1.8と、驚きのハイスピードレンズに変化。というわけで、超広角にボケ味まで楽しめるというのがこのレンズ。
合焦部からアウトフォーカスに至るまで、まろやかでそのなかに切れ味のあるレンズに仕上がっている。ここでは、APS-C機であるシグマsd Quattroを使用したが、それでも21ミリ相当の画角があり、切れのある超広角を楽しめる。なお、現在の機種は1120グラム(シグママウント用)とヘビー級。暗くてもよいので、小さくて軽い超超広角レンズも作ってください、シグマさん。(三宅岳)

■ソニーFE 24mm F1.4 GM

●レンズ構成:10群13枚
●最短撮影距離:0. 24メートル
●フィルター径:67ミリ
●大きさ、重さ:Φ75.4×92.4ミリ、約445グラム
●価格:税別標準19万8000円(税込実売19万4000円)

ソニーFE 24mm F1.4 GMは“理想のレンズ”であると言い切りたい。フルサイズミラーレスのα7シリーズ、α9に装着したバランスは非常によく、大事な見た目も格好がいい。スナップ撮影はもちろん、風景のジャンルにおいてもデジタルカメラの性能が向上したいま、手持ち撮影率は高まっている。この小型・軽量なレンズなら、カメラを首にぶら下げても疲れず、登山中にハッと心が動いた瞬間にシャッターを切ることができる。
肝心の描写力は有効約6100万画素を誇るソニーα7R IVの性能をあますところなく引き出し、高精細でリアルな風景を届けてくれる。細密な描写で画面周辺部の像はもちろん美しく、朝日、夕日の撮影や逆光の場面でも、フレアやゴーストなんてまったく気にならない。また、拡大MF時のピントのヤマもはっきりつかめる。本当に素晴らしすぎて、この感じで28ミリ、35ミリ、50ミリあたりのGマスターレンズが登場してきてくれないだろうか。(福田健太郎)