河端 当然そうでしょう。

佐藤 だから教育は大切なんです。確かに今の社会は、「勉強しなさい」という押しつけがダメみたいな雰囲気になっています。また、「勉強ばかりさせると独創性がなくなる」と批判する人も多い。でも独創力って、何もないところから生まれてくるわけじゃないんです。まず基本を身につけて、その上に生まれるものが独創性です。独創性を発揮できる人に育てるためには、まず、きっちりと「型にはめる」ことが大事。具体的には読み・書き・計算だと思っています。

●残り少ない夏休み、親子でどう過ごすか?

河端 夏休みの親子の過ごし方についてはどう思われますか?

佐藤 この機会に、具体的なスケジュールを子どもに示すということをやってみてほしいですね。朝仕事に行くときに予定を示してあげて、帰ってきたらチェックする。それでプリントが5枚できていたら、褒めてあげて、シールを貼ってあげたりする。そういうふうに楽しみながらやってみて、「勉強って楽しい」と思わせることが大切です。

河端 私は夏休みの機会に、ぜひ子どもたちのことをよく見てほしいと思います。この子の何が問題か、何が足りないのか、どういう助力が必要なのか……よく観察すると驚くような発見があると思うんです。もしかしたら、いじめの兆候を発見するかもしれない。よく観察しなければ発見もできません。

佐藤 塾の先生としてのアドバイスはありますか?

河端 受験を考えている学校を見に行ったり、パンフレットを集めたりしていただくといいと思います。また、過去問を買って、保護者の方が自ら解いてみるのもいいと思います。

佐藤 それもいいですね。私もセンター試験の世界史を解いてみたことがあります。すると100点満点中39点と、意外とできちゃった。子どもたちは「お母さんでも39点取れるんだ」と驚いて、なんだか自信が付いたみたい(笑)。

河端 お母様がそうやって過去問を解いてみたり、あるいは学校のことを調べたりと、忙しいなか時間を使ってくれれば、子どもは「オレのためにやってくれてるんだ」と感じますよね。そういう響き合いこそが、家庭の良さだと思います。

佐藤 専業主婦だけでなく、働いているお母さんも同じです。「私は働く、あなたは勉強」では寂しい。せっかく自分の子どもとご縁があって、同じ家に住んで、親子で暮らしているんだから、全力で自分の時間を使ってサポートしてほしいです。子どもが大学受験の18歳になるまでの、ほんのちょっとの間だけですから。

「自ら勉強する子」にするために親ができることとは?<佐藤ママ×河端学院長 特別対談>よりつづく

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