※写真はイメージです(gettyimages)
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 夏の夜、エアコンをつけて寝ていても、暑くて目が覚めてしまうことはないだろうか。エアコンの設定温度を下げて再び眠りにつくと、今度は寒くて目が覚める。そしてまた設定温度を上げ、その繰り返しで朝を迎え、日中は寝不足の状態に……。

 一体エアコンの設定温度は何度がベストなのだろう。電気代も気になってしまう。熱帯夜を快適に過ごすためのエアコンと睡眠の関係を探った。

なぜ夏は寝苦しいのか

 そもそも、なぜ夏は寝苦しいのか。

 睡眠環境プランナーの三橋美穂さんによると、熟睡するためには深部体温と呼ばれる体の内部の温度を下げる必要があるが、日本の夏は高温多湿で汗が蒸発しにくく、体温が十分に下がらないからだという。

 この問題を解決して夏に快適に眠るためには、寝床の温度を28℃以下、湿度を40~60%にすることが必要だと三橋さんは指摘する。そして、それをかなえるためのポイントは、「エアコンと着衣量と寝具をトータルで考えること」だという。

 どのように考えればいいのか。まずは問題ごとに大きく分けた調整法を三橋さんに教えてもらった(※外部配信先では図を閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。

(東洋経済オンライン提供)
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 この4つの調整法について、三橋さんは「これを順番に試してください」と話す。

「4段調整法」のやり方

 まず、①の「暑くて途中で目が覚める」では、冷房の温度をいつもの温度より少し下げてみる。その結果、途中で目が覚めることがなくなり、満足する睡眠が得られれば、問題は解決する。

 「一般的に、環境に配慮しつつ人が快適に眠れる温度の目安は25~28℃といわれていますが、28℃以下なら室温は何度でも構いません。例えば20℃でキンキンに部屋を冷やして、厚い布団を掛けたほうがぐっすり眠れるというのであれば、それでもOKです」

 「ただ、電気代と環境負荷がかかるので、『エコ』ではないですし、外気温との差が大きいと自律神経に負担がかかり、体調を崩しやすいということもあります。できれば、室内外の温度差は5℃以内、例えば気温が27℃なら22℃を下限の目安にしたほうがいいでしょう」

と三橋さん。

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