エアコンでだるくなる理由
①を試してみたら「だるくなってしまう」という人は、着るもので調整をしてみるとよいそうだ。具体的には、いつも半袖・半ズボンのパジャマを着ているのであれば、長袖・長ズボンに変えてみたり、腹巻きやレッグウォーマーなどで調整したりしてみる。
三橋さんによれば、「冷房をつけていると体がだるくなるのは、寝冷えのせい」だとか。睡眠中は体温を調整するための反射機能が低下している。半袖・半ズボンなど肌の露出が多いままで寝ていると、冷気が体に直接当たり、体が冷えてしまうのだ。
②で調整すると、③のように「長袖・長ズボンのパジャマにしてもだるくなる」場合は、室温は低いままにし、保温性の高い掛け寝具を使うことで調整する。ガーゼケットやタオルケットを使っていたら、薄手の掛け布団に変えるなどして、保温性を高めてみよう。
それで「暑いと感じる」場合は、④のように冷房の温度をもう少し下げて、快眠できる温度を探してみる。
こうして、自分にとってちょうどいいエアコンと着衣量と寝具の組み合わせを見つけていくとよいそうだ。
ここまで読んでお気づきの人もいるだろうが、この調整法はエアコンを一晩中つけっぱなしにしておくことが前提となっている。なぜ、つけっぱなしのほうがいいのだろうか。
「切タイマーを使うと、室内は昼間、壁や天井にこもった熱(輻射熱:ふくしゃねつ)によって温度が徐々に上がり、目が覚めてしまう原因になるからです。また、室温が28℃を超えれば、睡眠中に熱中症を起こすリスクが高まります。『冷房は体がだるくなるから苦手』という人が今もまだいますが、扇風機だけで乗り切ろうとするのは、今の猛暑を考えると大変危険なので、やめましょう」(三橋さん)
意外な盲点は、エアコンの設定温度と、寝ている場所の温度は一致しないことが多いという点だ。それを解決するためには、枕元に温度計を置き、寝床がある場所の温度を確認することも大切だ。
一方、湿度に関していえば、冷房をつけていれば自然と下がる。まずは冷房で寝床が28℃以下に保たれるよう注意しよう。「要するに、冷房を使いながら、体を冷やさないように工夫することが重要です」(三橋さん)。