メジャーのダイヤモンドバックス戦で始球式を務めた古田氏。同球団のトーリ・ロブロ監督と(日刊スポーツ)
メジャーのダイヤモンドバックス戦で始球式を務めた古田氏。同球団のトーリ・ロブロ監督と(日刊スポーツ)

ヤクルトやメジャーで臨時コーチ

 現役時代に共にプレーした50代のOBもその一人だ。

「古田さんの頭脳を生かさないのはもったいない。06年から2年間監督を務めた時は3位、6位に終わりましたが、時代を先取りした野球をしていました。2番に強打者のアダム・リグスを置く攻撃的な布陣は斬新でした。今は2番に強打者を置くことは珍しくないですが、当時は犠打や小技に長けた選手が起用される打順というイメージが強かった。06年はリーグトップタイの669得点をたたき出しています。投手陣が不安定だったので優勝争いには絡めませんでしたが、大きな可能性を感じさせました。今のヤクルトを再建するには時間が掛かると思いますが、古田さんなら絶対に強くしてくれます。さわやかで頭脳明晰のイメージがあると思いますが、負けん気が強く弱気なプレーを嫌がる。過去の実績に捉われず、シビアな選手起用をすると思いますよ」

 07年は春先に出遅れたのが響いて最下位に低迷し、古田氏は責任を取って現役引退を決断すると共に監督を辞任。球団からはもう一年指揮を取ることを打診されたが、責任感の強い性格で首を縦に振らなかった。

 現場を離れて月日が経つが、春季キャンプ中に臨時コーチを務めるなどヤクルトとの結びつきは現在も強い。23年からはダイヤモンドバックスの春季キャンプで臨時コーチを3年連続で務めている。

「ダイヤモンドバックスのトーリ・ロブロ監督は現役時代にヤクルトでプレーした経験があり、きめ細かい日本野球の良さを高く評価して積極的にチームに取り入れています。古田さんとはヤクルト時代にチームメートになり、今は指導能力に一目置いて臨時コーチでなくシーズンを通じてコーチになることを望んでいるほどです。古田さんは勉強熱心でメジャーの練習法やトレンドにも詳しい。再び監督に就任したら、指導する上で大きなプラスになるでしょう」(メジャー担当のスポーツ紙記者)

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