
「古田さんなしにプロ野球の発展はなかった」
古田氏は球団の垣根を超え、多くのOB、選手に慕われている。その大きな理由が04年に起きた「球界再編問題」だ。オリックスと近鉄の球団合併が報じられると、一部の球団オーナーにより、球団数を大幅に削減して8~10球団で1リーグ制に改革する流れが進んでいった。この時に日本プロ野球選手会会長として、選手サイドの先頭に立って球団側と対峙したのが古田氏だった。選手会は「合併反対」「2リーグ12球団維持」を求め、同年9月に日本プロ野球史上初のストライキを決行。合併阻止は実現できなかったが、2リーグ制の維持、新規球団の参入などを認めさせた。
「古田さんは大きな重圧を感じていたと思います。プレーしながらオーナー陣と交渉を進めていましたが、頭の回転が速く、粘り強い交渉で選手会を引っ張ってくれました。新球団参入が認められ、楽天が参入しましたが、古田さんがいなければ、セ・パの2リーグ制を維持できたか分からなかった。今のプロ野球の繁栄は古田さんの存在がなければ実現できていません。僕だけでなく、当時の選手たちは感謝の思いしかありませんよ」(50代のパ・リーグ球団OB)
現在は解説、スポーツキャスター、人気YouTubeチャンネルなどで野球の魅力を伝えているが、ユニフォーム姿を見たいファンは多い。監督として再びグラウンドに戻ってくる時は来るだろうか。
(今川秀悟)
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