
セ・パ交流戦も佳境を迎えているプロ野球。まだまだ優勝争い、Aクラス争いは混とんとしているが、徐々にAクラス入りが厳しくなっている球団もある。パ・リーグではロッテがそれにあたるだろう。交流戦では7勝5敗と勝ち越しているものの、他のパ・リーグ球団も軒並み好調ということもあって、3位の西武とは9.5ゲーム差、5位の楽天とも4.5ゲーム差をつけられての最下位に沈んでいるのだ(6月17日終了時点)。6月3日にコーチ陣の入れ替えも発表されたが、既に来季以降をにらんでの動きという見方もある。
【写真】この人がロッテに残っていたら…西武を変えた「鬼軍曹」
ではそんなロッテ不振の原因はどこにあるのだろうか。まず目立つのが得点力不足だ。チーム本塁打数こそ西武、楽天を上回ってのリーグ4位だが、チーム打率、チーム出塁率、チーム長打率など主だった打撃の指標は軒並みリーグ最下位に沈んでいる。そしてそれ以上に気になるのが、将来の中心選手として期待して獲得した野手が軒並み伸び悩んでいるという点だ。
2015年から2024年の10年間のドラフトで1位と2位の上位でロッテが獲得した野手は11人で、これは12球団で最多の数字だ。ドラフト上位指名では昔から投手が優先されることが多く、この10年を見ても野手が投手を上回っているのはロッテだけである(次いで多い楽天は投手、野手ともに10人ずつ)。それだけ球団として野手の強化に力を入れてきたことが分かるだろう。
しかしそんな期待を受けて入団した11人の選手のうち、今シーズンレギュラーと言えるのは藤原恭大(2018年1位)と藤岡裕大(2017年2位)の2人だけで、藤岡も打率は.242と決して高くはない。平沢大河(2015年1位)は現役ドラフトで昨年オフに西武に移籍し、将来の4番として期待されてきた安田尚憲(2017年1位)も年々スケールが小さくなっている感は否めない。昨年まで3年連続で100試合以上に出場していた佐藤都志也(2019年2位)も今年は極度の不振に陥り、怪我もあって現在は二軍調整となっている。1年目に佐々木朗希の完全試合をアシストして話題となった松川虎生(2021年1位)もそれ以降は二軍でも結果を残せていないのが現状だ。