iPadを使って子どもたちが「映画づくり」を体験できるワークショップ、「Apple サマーキャンプ」に、小2の息子と参加してきました。
Apple サマーキャンプは、6歳から10歳までの子どもたちを対象にApple Storeで開かれている、夏休み期間限定の体験プログラム。参加は無料。25年以上も行われている取り組みだそうです。
今年のプログラムは、「友情をテーマにしたオリジナルの映画をiPadでつくろう」。iPadのビデオ編集アプリ「iMovie」を使い、子どもたち自身が撮影、編集し、最後にオリジナルの作品をつくってみんなに披露するという、90分間のセッションです。
iPadでYouTube動画を見るのは大好きな息子ですが、iMovieを触ったことも、動画を編集したこともありません。小2にはちょっとハードルが高いのでは……と思いつつ、東京駅近くの「Apple 丸の内」に向かいました。
会場に到着すると、子どもたち全員にあざやかなグリーンのTシャツが配られました。大きなAppleのロゴのなかにカラフルな動物たちが描かれたオリジナルデザイン。みんなでおそろいのTシャツを着ると「いまから始まるんだ」というワクワク感が高まります。
一人ひとりにiPadが貸し出され、まずはiMovieの操作を覚えます。参加者は息子を含め、はじめてiMovieに触るお子さんが大半でしたが、基本をすぐにマスターした様子。学校で1人1台端末を扱っているいまの小学生。「使い方がわからないかも……」という心配は杞憂でした。


怪獣に扮したAppleスタッフを撮影し、その動画を編集する練習を経て、いよいよオリジナルの映画作りに挑戦です。
参加した子どもたちみんなで意見を出し合って決めた映画のテーマは、「宇宙で宝探し」。3~4人ずつのグループにわかれ、それぞれが監督、俳優、カメラマン役をこなしながら制作します。
Appleの店内を自在に歩き回り、息子たち低学年男子3人のグループは、階段の下にある空間を撮影場所に選びました。「宇宙だからゆっくり歩いてみよう!」「宝物のメダルはこの石にしない?」――初対面でもすぐに打ち解け、アイデアを出し合いながら撮影が進みます。つづく編集では、動画をトリミングし、スローモーションにしたり、モノクロにしたり。iPadを3人で囲み、教わったばかりの技術を駆使して夢中で作業していました。


完成した後はいよいよ「映画祭」。各グループがつくった1分ほどの映画をみんなで鑑賞します。構成、表現、演出、どれもグループによって趣が異なり、子どもたちのアイデアの多様さに驚きました。息子は、高学年グループがつくった完成度の高い作品をみて「どうやってあんなふうに作れるのかな」「文字(テロップ)も入っているのがすごい」と感心しきり。映画をつくる過程はもちろん、鑑賞を通じて多くの気づきを得たようでした。
親があれこれ口出ししない環境で、子どもが自ら学び、考え、発見し、作り上げていく。これがこの「サマーキャンプ」の醍醐味です。セッションの最中、「みんなでやればー?」というスタッフの呼びかけに、「もっと楽しい!」と子どもたちが答えるやりとりが繰り返されました。一人ではなく「みんな」でつくりあげるという仕掛けが、子どもたちのアイデアとやる気をさらに引き出しているようでした。
「Appleサマーキャンプ」は8月25日まで、全国のApple Storeで開催されています(Apple銀座を除く、予約制)。各自がつくった映画のデータをAir Drop経由で共有してもらうこともできるので、夏休みの自由研究にもおすすめです。
(編集部・鈴木顕)