池田来翔(2021年2位)、友杉篤輝(2022年2位)、上田希由翔(2023年1位)やルーキーの西川史礁(2024年1位)、宮崎竜成(2024年2位)などはこれからの選手ではあるが、全員が大学、社会人出身であることを考えると、少し一軍の主力になるまでに時間がかかっている印象は否めない。
ちなみにロッテの生え抜き選手で最後にシーズン30本塁打を放ったのは1986年の落合博満(50本塁打)が最後である。それを考えると、打線、特に長打力のある日本人選手を育てるということに関しては最も苦手な球団と言え、スカウティング、育成の両面を改めて見直す必要があるのではないだろうか。
チーム編成でもう一つ気になるのが外国人選手の獲得についてだ。昨年はポランコが23本塁打、ソトが21本塁打を放って打線を牽引したが、ポランコは巨人、ソトはDeNAと元々はNPBの他球団でプレーしていた選手である。他にも投手ではメルセデス(元巨人)、スタンリッジ(元ソフトバンク、阪神)、チェン(元中日)、野手ではレアード(元日本ハム)、ペーニャ(元ソフトバンク、オリックス、楽天)、ブラゼル(元西武、阪神)などもNPB経験者で、国内の他球団を自由契約となった選手を獲得するケースが非常に多いのだ。他球団からの移籍ではないものの、今年加入したゲレーロも2022年にロッテでプレーしていた“出戻り”の選手である。
NPBでのプレー経験があることはもちろんプラスに働くことも多く、レアードや昨年のポランコ、ソトなどは成功した例と言えるが、こういった多くの選手はある程度年齢がベテランとなっており、ピークを過ぎた選手が多いのもまた事実だ。実際、ロッテでキャリアハイとなる数字をマークするケースは多くない。NPBを経験した外国人選手を優先することはリスクは低いのかもしれないが、リターンもそこまでは大きくない印象だけに、もう少し自前でこれからピークを迎えそうな外国人選手を獲得することに注力しても良いのではないだろうか。そういう意味では外国人選手のスカウティングも課題と言えるだろう。