実は自公との大連立を切望?
そして、何よりもネットの反応が大きな影響を与える。
最近支持率に翳りが見えるもののユーチューバーとして発信力を誇る国民民主の玉木雄一郎代表が、どのように立憲批判をするかも注目だ。支持率が落ち目の今、本当は解散はしてほしくないと考えるかもしれないが、そうした本音とは正反対に、立憲が不信任案を出さないことを強く批判する可能性がある。
新聞だけ見ていると、不信任案を出せない可能性もかなりあるように見えるが、私は、それでも、野田代表は、不信任案を出さざるを得なくなると見ている。
不信任案不提出の理屈はわかりにくく、ネット向きではない。出さない場合の批判を恐れる党内の声が、ネット世論を背景に高まる可能性が非常に高い。
消費税減税について、あれだけ反対し続けたのに、最後はあっさりと減税案を出すと決めた野田代表のことだ。今回も批判に怖気付いて不信任案提出に追い込まれるのではないだろうか。
不信任案が出れば解散になる可能性が高い。
その先の展開は読みにくいが、衆議院選で自公が過半数をとればもちろんだが、そうでなくても、政権交代にはならないだろう。維新と国民民主が立憲に協力しないからだ。
その場合、維新や国民民主が自公と連立を組むかというと、自公政権で石破おろしにならなかった場合は、維新との連立の可能性はあるが、国民との連立の可能性は低いのではないか。
なぜなら石破首相は明らかに玉木代表を嫌っているように見えるからだ。政権内部からも、石破首相は、個人的な好き嫌いではなく、ネットでバズれば良いというような玉木代表の政治手法を問題視し、そういう政治家が蔓延れば、民主主義が危機に陥るというかなり真面目な理由で玉木代表を敬遠しているという話が聞こえてきた。
もう一つ、立憲と自公の大連立はあるかという点だが、野田代表は、それを切望しているように見える。なぜなら、自分の力では、野党政権を作ることはできないと知っているからだ。そうであれば、自分が本音でやりたいこと、すなわち消費税増税を核とした税と社会保障の一体改革、さらに自衛隊明記を含む憲法改正とさらなる軍拡を中心とした安保政策を石破首相と二人三脚で実現するのが次善の道だということになる。
ちなみに、野田代表は、そういうことさえ考えていないという解説をする立憲議員が執行部の中にもいる。つまり、何も考えていないというのだ。にわかには信じ難いが、確かに、これまでの彼の「何もしない」という行動(これが行動と言えるのか疑問だが)を見ていると、そうなのかなとも思えてくる。
仮に大連立ということになった場合は、立憲は二つないし三つに分裂するだろう。
それが政界再編につながるのか。
いずれにしても、本当に日本の政治が変わるには、まだまだ時間がかかるということになりそうだ。
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