また、自民党関係者によると、6年前の参院選が近づいたとき、太田氏の選対にかかわっていたD氏が、
「カネがないから、すぐにほしい」
とごねて、仕方なく太田氏陣営のスタッフがATMに同行したという。D氏は現金が引き出されるやいなや、
「手伝いしているから、もらっとくで」
と持ち去ったという。
D氏に連絡をとって確認すると、
「カネのこと? それ6年前かそこらのことやろ、時効ちゃうんか。知らんわ」
と言って、一方的に電話を切った。
「もめているので、ありもしない噂を流される」
太田氏が不出馬を表明する前、電話で太田氏を直撃すると、こう話した。
「お金の疑惑? 去年のあれ(安倍派の裏金)だけで、他には絶対にありません。お金をばらまく? そんなことするわけない」
病院の入院費を値切ったという疑惑についても否定した。
「長期で入院していたことは事実だが、そんなこと一切ない」
そして、こう反論した。
「自民党の公認をめぐっていろいろもめているので、そういうありもしない噂を誰かが流すだけや」
自民党は候補者を緊急公募
太田氏の出馬辞退により、大阪府連はまた参院選の候補者選びをやり直すことになった。5月29日に森山幹事長や青山府連会長らが協議し、候補者の緊急公募を決めた。
前出の大阪府議Cさんはこう話す。
「府連の中では、週刊ポストの記事以降もほかのメディアが太田氏のスキャンダル記事を出すという話がずっと流れていた。次が出ると終わりだと思っていたので、太田氏の辞退は歓迎ムードですよ。それに太田氏が出馬しても勝てるかどうか微妙なところだった。自ら降りてくれたので、私は正直ほっとしている」
参院選で大阪選挙区は3回連続で維新が2議席、公明党が1議席を獲得し、自民党は1議席に甘んじている。Cさんはこう嘆いた。
「参院選はもう間近。それでなくとも自民党の支持率は低く、大阪では相変わらず維新がめちゃくちゃ強い。国会議員経験者の名前があがっているが、森山幹事長ら党本部主導で選考するので全く読めない。自民党の支持率が低調だし、候補者選びは難航しそうだ」
大阪で自民の不戦敗という可能性も出てきている。
(編集部・今西憲之)
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