太田氏が参院選出馬断念で公表した文書

親族の入院費用を値切った?

 数年前、太田氏の親族Aさんが、大阪府の関与するB病院に入院したことがあった。Aさんは重度の内臓疾患の疑いがあるとして、「即入院すべき」と診断されたという。事情を知る関係者がこう話す。

「Aさんの病状は悪く、すぐにでも手術が必要といわれていました。しかし、すぐ入れる病室がなかった。だが、元大阪府知事の太田氏は、高級な病室なら空きがあると病院側から聞くと、そこでいいからと入院させ、Aさんは治療を受けることができた」

 だが、Aさんは入院直後に、病院内でタバコを吸うなどして病院とトラブルになったという。

「酒を飲んでいたのを看護師に見つかったこともあった。しかしそのたびに太田氏や太田氏の事務所の人から『いや、すみません』と電話があって、強制退院は免れた。やっぱり元知事で参院議員ですから」(前出の関係者)

 数カ月ほどでAさんの病状は回復し、退院することができた。治療や入院にかかった費用の支払いにあたっては、太田氏自身がB病院の幹部と面談したという。

「太田氏は、『入院費用をまけてほしい』と切り出しました。そんなことを求める患者さんはまずいない。異例のことです。ただ、元知事であり現職の参院議員の太田氏からそう言われるのはプレッシャーですよね。院内で検討しましたが、いろいろな想像がどうしても働く。最後は、少し入院費用を安くしたのは事実です」(前出の関係者)

「クラブや飲食店から10万円単位の請求書が」

 週刊ポストが報じたように、太田氏が2019年の参院選で、府内の地方議員に「カネをばらまいていた」という情報は、記者も数年前から耳にしていた。

 自民党の大阪府議Cさんがこう話す。

「知事までやっていたのですが、太田氏を支援する地方議員は少なく、選挙では支援体制が整わず苦労していた。そこで、地方議員を味方につけようと、地元の行事に寄付したり、参加費などと称してカネを出したりするようになった。すると、数人の地方議員が太田氏の選対事務所で応援するようになったのですが、大阪の高級クラブや飲食店から10万円単位の請求書が太田氏の事務所に届くようになったといいます。これは大阪府連では有名な話で、『困ったな』と太田氏自身も頭を抱えていたそうです」

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