太田房江参院議員
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 今夏の参院選で、大阪選挙区から3選を目指し、自民党公認が内定していた太田房江参院議員(73)が5月26日、突然、不出馬を表明した。太田氏に関しては、5月19日発売の週刊ポストが選挙買収工作をしていたという疑惑を報じるなど、カネにまつわる疑惑が噴き出ていた。

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 太田氏は26日、「ご連絡」という文書を公表した。そこでは、参院選に不出馬を決めたこととともに、次のように書かれていた。

〈最近、事実無根のいわれなき誹謗中傷を受ける中、不調を感じつつも精励して参りましたが、ここに来て大きく体調を崩し、強度のストレスによるストレス障害との診断を受けました。主治医からはこれ以上 政治活動を継続することは断念すべきとのご指導をいただき、苦渋かつ困難な決断ではございますが、先ずは治療に専念することといたしました〉

 太田氏は大阪府知事を2期、参院議員も2期務めているが、いずれも「政治とカネ」の問題がつきまとった。府知事時代には東京の実家を後援会事務所にして事務所費を支払っていたことや中小企業の経営者団体の会合で高額の講演料を何度も受け取っていた問題が発覚し、3選を目指す知事選出馬を断念した。参議院時代には、旧安倍派に所属し、派閥の政治資金パーティー裏金問題で214万円の不記載が判明した。

 次の参院選の候補選定で、自民党大阪府連の青山繁晴会長は太田氏の擁立に反対し、独自候補擁立を模索。自民党は、大阪選挙区だけが候補未定の状態が続いていた。

 自民党本部は5月13日には、「これ以上時間をかけるのは難しい」(森山裕幹事長)と太田氏を公認する方針を決定。これで候補が決まるかと思ったところ、週刊ポストが、太田氏が6年前の参院選前などに地元議員に資金提供を持ち掛けて協力を要請していたという疑惑を報じた。これについて、太田氏側は「該当する事実はなく、まったくの虚偽」と否定している。だが、その後、太田氏は出馬を断念した。

 実は記者も、週刊ポストとは別の、太田氏のカネにまつわるスキャンダルを取材していた。

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