
「当然ですが、本人は相当落ち込んでいました。事の重大性は分かっているでしょう。28歳という年齢を考えれば、チームを引っ張る自覚を持ってもらわなければ困る。あの一件以降、気持ちを入れ直してファームで声を出して一生懸命プレーしています。すぐに信頼を取り戻せるわけではないですが、できることを目いっぱいするしかない」(西武を取材する民放テレビ関係者)
開幕から1軍出場がないが、29日時点でイースタン・リーグで32試合出場し、打率.311、3本塁打、12打点と好調をキープ。格の違いを見せつけている。1軍に昇格するコンディションは整っているが、西口監督はどのような決断を下すか。
「チームがいい流れで戦っている時期に、佐藤龍を1軍に上げるという判断は難しい。戦力としてはプラスになりますが、なかなか受け入れられないファンもいるでしょう。佐藤龍もそれは覚悟していると思います。どのタイミングで1軍に上がるかは分かりませんが、厳しい視線にさらされるのは仕方ない。外崎の復調を待つか、佐藤龍を抜擢するか、難しい決断になります」(同)
佐藤龍と、かつてチームメートだった西武OBはこう語る。
「チームを思う気持ちは誰よりも強く、人懐っこい『愛されキャラ』ですが、気持ちの浮き沈みが激しく人間的に未熟な部分がある。グラウンド外での行動も自分を律さないとこの世界では生き残れません。西口監督は勝負師です。勝つための最善策を下す上で、佐藤龍のファームでのプレー、振る舞いなどについて報告を受けていると思います。1軍に昇格する状況になったら、ラストチャンスの覚悟でプレーしてほしいですね」
他球団のマークが厳しくなる中、西口監督の用兵術が注目される。
(今川秀悟)