中島大輔のフライを落球する外崎修汰(日刊スポーツ)

 ただ、「台風の目」で終わらず、V奪回を目指すなら懸案事項がある。三塁を守る外崎修汰だ。主力として長年稼働し、今年は二塁から三塁にコンバートされたが満足のいくパフォーマンスを発揮できていない。45試合出場で打率.227、2本塁打、11打点。得点圏打率.179にとどまっている。三塁の守備でもリーグで2番目に多い7失策を記録。27日の楽天戦(前橋)では、1点リードの6回に中島大輔のフライを落球。この拙守が試合の流れを変えた。中島に二塁まで進まれると、その後に同点に追いつかれ、試合の主導権を奪い返せずに逆転負けを喫した。

 「外崎は責任感が強い選手です。西口文也監督の信頼が厚い選手ですが、試合から外してリフレッシュさせてもいいように感じます。そこで気になるのは昨季4番を打った佐藤龍世を1軍に昇格させるタイミングです。シーズン前は外崎の出場機会が確約されているわけでなく、首脳陣は三塁の定位置は、外崎と佐藤龍が競い合い、結果を残した方をスタメンに起用するという考えでした。佐藤龍は寝坊の件で信頼を失ってしまいましたが…」(スポーツ紙デスク)

 森友哉(現オリックス)が西武時代に着けていた背番号「10」を継承した佐藤龍には、球団からの期待が大きかった。昨年は左有鈎骨骨折で戦列を離れた時期があったが、93試合の出場で打率.244、7本塁打、34打点をマーク。出塁率.330は300打席以上の選手の中でチームトップの数字で、8月下旬以降は4番で起用されていた。パンチ力と選球眼の良さに加え、守備力の高さにも定評がある。だが、今年は自らの愚行でチャンスを手放してしまった。オープン戦期間中の3月7日に札幌から静岡に飛行機で移動する際、寝坊で空港に姿を現さずチームの移動便に乗れなかったのだ。その後に1軍メンバーから外され、西口監督は「寝坊したから3軍に落とした。それだけです。2週間は3軍にいるんじゃないですか。危機感がないというか、現状で自分がどういう立ち位置にいるのか考えてほしい」と語気を強めた。

次のページ 決断するのは、勝負師の西口監督