
他球団のスコアラーは「今の今井は、日本ハム時代のダルビッシュ有(現パドレス)に近い。打てる球がほとんど来ないので、打者は出塁することすら難しい。以前は投球にムラがあり、カッとなるとストライクゾーンに球を集めすぎて痛打を浴びるときがあったが、今は本調子でなくても大人の投球できっちり抑える。投球技術だけでなく、精神的にも成長したように感じます。12球団で最も攻略が困難な投手でしょう」と脱帽する。
今井を慕い、沢村賞を目標に掲げる左のエース隅田も抜群の安定感を誇る。7試合登板で5勝2敗、防御率1.33。すべての試合で7イニング以上を投げ、4月19日のソフトバンク戦では4安打完封勝利を飾った。今井と隅田で計30勝をクリアすれば、V奪回がグッと近づくだろう。
元エース高橋光成の巻き返しも
西武の強みはこの2人以外にも質の高い投手がそろっていることだ。渡邉勇太朗、菅井信也と若手成長株が頭角を現し、武内も故障から復帰した。かつてのエース・高橋光成は昨年0勝11敗と想定外の試練を味わったが、4月29日の楽天戦で597日ぶりの白星を挙げた。まだまだ本来の投球とは言えないが、実績十分の投手だけに巻き返しが期待される。
まだシーズンは3分の1も消化していないが、西武は明らかに昨年とは違う姿を見せ始めている。昨年の屈辱をバネに、熱い戦いが続く。
(今川秀悟)
こちらの記事もおすすめ 打率4割の絶好調ルーキー 西武・渡部聖弥が「ドラ1指名」されなかった理由