国内FAならヤクルト、楽天などの争奪戦?

 メジャー挑戦の道は険しいかもしれないが、高橋がこのまま1軍で投げ続ければ今季中に国内FA権を取得する。他球団の編成担当は「メジャーの舞台で投げたいという夢があるので、国内FA権に興味を持つかは不透明ですが、権利を行使するなら複数球団の争奪戦になるでしょう。先発で実績のある投手だし、28歳という年齢を考えると全盛期はこれからです」と高い評価を口にする。

 ヤクルト楽天など先発のコマ不足に悩まされている球団は多い。リーグ連覇を狙う巨人も昨年最多勝に輝いた菅野智之が海外FA権を行使してオリオールズ移籍し、先発陣の層が厚いとは言えないだけに関心を持つかもしれない。外部補強に積極的なソフトバンクも同一リーグで対戦した高橋の凄みを体感しているため、獲得に乗り出す可能性はある。

 昨オフに広島で海外FA権を行使した九里亜蓮は、メジャー挑戦を目指したが途中で断念し、オリックスに移籍した。

「九里は数年前からメジャーに興味を持っていましたが、米国のFA市場で優先順位が高い選手とは言えなかった。去就が決まるまで長期化する可能性がありましたが、家族もいますし、悩んだ末にオリックス移籍を決断しました。こういうケースは今後増えると思います」(前出の在阪スポーツ紙デスク)

 高橋は険しいメジャー挑戦の道を選ぶか、国内でプレーを続けるのか。その前にまずは西武で復活した姿を見せなければ、未来を切り開けない。長いトンネルを抜けて、先発の柱として輝きを取り戻せるだろうか。

(今川秀悟)

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