
白星が遠い。西武の高橋光成だ。4月15日のオリックス戦で7回4安打1失点に切り抜けたが、打線の援護がなく今季2敗目を喫し、これで昨年から続く連敗数は13となった。昨年は15試合に登板し、0勝11敗と勝ち星なし。2023年9月10日の日本ハム戦で勝ち投手になったのを最後に、19試合連続で未勝利が続いている。
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「今季初登板の日本ハム戦は5回7安打6失点と打ち込まれましたが、その後の2試合はピンチを背負いながらも要所を締めてきっちり試合を作っている。昨年もそうですが、白星がついても不思議でない登板で打線の援護に見放されたり、救援陣が崩れたりしている。1勝すれば状況がガラッと変わると思うんですが……」(スポーツ紙デスク)
実力のない投手ではない。21年から3年連続2ケタ勝利をマークし、西武のエースの座をつかんだ。ポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦を希望していたが、昨年1勝もできずに状況が大きく変わった。巻き返しを誓った今年に向けて期する思いは強い。西武を取材するスポーツ紙記者が証言する。
「肉体改造をして体がどんどん大きくなっていましたが、昨オフからは食事を見直して7キロ減量しました。投球フォームも土台から作り直して熱心にトレーニングをしています。光成は白星から遠ざかっている時も周囲に気を使わせないように振る舞っていました。元西武の菊池雄星(現エンゼルス)が面倒を見るなど先輩から愛され、後輩からも慕われている。取材にも丁寧に対応してくれる人格者です。今年は西武が上位を目指す中でキーマンになると思います」
高橋は現在もメジャーに強い思いを抱いている。高橋がメジャーに挑戦するには、今オフにポスティングシステムの利用を申請するほか、来年まで西武でプレーし続けて海外FA権を得るという選択肢が考えられる。
「今年2ケタ勝利を挙げる活躍をすれば、西武がポスティングシステムの利用を認める可能性があります。夢を叶えるために背中を押してあげたいという気持ちはあるでしょう。西武は今井達也、隅田知一郎、武内夏暉、渡邉勇太朗、菅井信也、上田大河と先発を担う若手が順調に育っているというチーム事情もあります。本人は1年でも早くメジャーに挑戦したいでしょう」(在阪のスポーツ紙デスク)