
米国スカウトは「三振奪取能力が気になる」
だが、これだけ勝ち星から見放されていると、メジャーでどのような評価をされているのかが気になる。映像で投球を確認しているという米国の西海岸のスカウトは、こう指摘する。
「正直、白星がないということはそこまでマイナス材料にならない。打線との兼ね合いがあるし、自分の力だけでどうこうできるものではないですから。それより高橋で気になるのは防御率と三振奪取能力ですね。三振については元々多くとる投手ではないですが、昨年から直球で空振りが奪えなくなっている。変化球で絶対的な決め球がないことも気になります。メジャー契約を提示する球団はあると思いますが、そこまで高い評価にはならないんじゃないでしょうか」
メジャーで日本人投手の需要が高まっていると言われるが、各球団のスカウトはシビアに力を見極めている。昨オフに阪神からポスティングシステムでメジャーに挑戦した青柳晃洋は、メジャー契約のオファーを得られずフィリーズとマイナー契約を結んだ。中日の小笠原慎之介はナショナルズと2年契約を結んだが、オープン戦で5試合登板して防御率11.25と結果を残せず、開幕前にマイナー降格を通達された。23年オフに日本ハムからポスティングシステムでメジャーに挑戦した上沢直之はレイズとマイナー契約を結び、24年の開幕前にレッドソックスに移籍したが、メジャーでは2試合登板のみでマイナーに降格。今季からはソフトバンクでプレーしている。
「メジャーに挑戦した投手の中で、高橋光成と投球スタイルが近いのが上沢直之です。スタミナはあるのでイニングイーターにはなれるけど、直球で空振りが奪えず変化球もウイニングショットがない。現状では米国で先発ローテーションを張るのは厳しいでしょう」(米国の通信員)