昨年12月の契約更改交渉後、「やりかえす!」と書いた色紙を手にする高橋光成(日刊スポーツ)

米国スカウトは「三振奪取能力が気になる」

 だが、これだけ勝ち星から見放されていると、メジャーでどのような評価をされているのかが気になる。映像で投球を確認しているという米国の西海岸のスカウトは、こう指摘する。

「正直、白星がないということはそこまでマイナス材料にならない。打線との兼ね合いがあるし、自分の力だけでどうこうできるものではないですから。それより高橋で気になるのは防御率と三振奪取能力ですね。三振については元々多くとる投手ではないですが、昨年から直球で空振りが奪えなくなっている。変化球で絶対的な決め球がないことも気になります。メジャー契約を提示する球団はあると思いますが、そこまで高い評価にはならないんじゃないでしょうか」

 メジャーで日本人投手の需要が高まっていると言われるが、各球団のスカウトはシビアに力を見極めている。昨オフに阪神からポスティングシステムでメジャーに挑戦した青柳晃洋は、メジャー契約のオファーを得られずフィリーズとマイナー契約を結んだ。中日小笠原慎之介はナショナルズと2年契約を結んだが、オープン戦で5試合登板して防御率11.25と結果を残せず、開幕前にマイナー降格を通達された。23年オフに日本ハムからポスティングシステムでメジャーに挑戦した上沢直之はレイズとマイナー契約を結び、24年の開幕前にレッドソックスに移籍したが、メジャーでは2試合登板のみでマイナーに降格。今季からはソフトバンクでプレーしている。

「メジャーに挑戦した投手の中で、高橋光成と投球スタイルが近いのが上沢直之です。スタミナはあるのでイニングイーターにはなれるけど、直球で空振りが奪えず変化球もウイニングショットがない。現状では米国で先発ローテーションを張るのは厳しいでしょう」(米国の通信員)

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