「中軸を期待される石川昂弥と細川成也、安打製造機への期待がかかる村松開人が別人のような打撃内容。打席内で自信なさげにスイングしていて、彼らの不調が打線に大きな影響を及ぼしている。昨年、苦しんだ岡林勇希に復調の気配があるだけに、3人にも頑張って欲しいのだが……」(中日関係者)

 石川は「四番として育てる」(井上監督)と言われていたが、4月4日のヤクルト戦(神宮)では延長に回った打席で代打を送られてしまうほどの不振を極め、現在は二軍で再調整中。昨年23本塁打の細川も「他球団からのマークが相当厳しい」(中日関係者)中で、今季はまだ1本塁打しか打てていない。村松も昨年負った肩の故障の影響もあるのか、打率1割台と低迷中だ(4月19日時点)。

「1番を打つ岡林の出塁率が良い(4月19時点で.338)ので、3人が打ち始めれば得点力も高まるのだが……。試合前の打撃練習に注目して欲しいが、各自が良い形で打てていない。中でも石川は、『捉えた』と思った打球がフェンス前で失速する。今までの野球人生の中でどん底くらいに悪い時期かもしれない」(中日OB)

「走者を返す」役割を果たすべき3人の調子が上がらなければ、得点が増えないのは当然。彼らが「普通」の状態に戻るだけでも大きく変化するはずだが……。

「それでも中日は不気味な存在に感じる。中軸打者の調子が悪い中、少ない得点で勝ち切る試合を作れている。選手個々が自覚し、進塁打を打つ意識を強く持っているのが伝わる。中田翔でさえ自分を抑え、明らかな右狙いに徹している。石川、細川、村松の調子が上がり、投手陣と噛み合えば手がつけられなくなりそう」(在京球団編成担当)

「スクイズ(=絞り出す)」とは、走者三塁で得点を狙ってバントすることを言う場合が多い。しかし安打や犠牲フライを打てなくても何かしらの形で走者を進め、得点することを指すこともある。今の中日が目指すは、まさに「スクイズ(=絞り出す)」だろう。

「『どのような形でも1点を取る』野球は、広いバンテリンドームに即している。しかし投手陣が踏ん張っていられない時期は必ずやってくる。中軸打者に少しでも早く当たりが戻らなければ、さらに下降線を辿るだろう」(在京球団編成担当)

次のページ 投手陣には明るい未来が多い