――本のなかで病院実習について書かれています。
大学6年では自由に場所を選択して実習ができる期間があり、わたしは小笠原諸島の父島にある小笠原村診療所で実習をしました。父島は、労働生産人口の割合が高いという特徴や、本島からのアクセスなどのさまざまな要素から、普段実習をさせていただいている大学病院とは少し違った新鮮な環境でした。本島に行って治療を受ける必要があるかどうかを見極めることはとても重要で、その人にとってどのような状態がいちばんよいのかを考え、より地域に密着した医療のあり方を拝見しました。
――どのようなお医者さんをめざしますか。
4月から研修医として働きます。今は脳に興味があり、脳神経外科に進むことを考えています。病院実習では、先生方が手術する様子を見学し、鍛錬し磨かれた技術に感動しました。わたしも、勉強し続けて技術を磨いていきたいです。
――理三をめざす学生さんにメッセージをお願いします。
高校生はさまざまな誘惑があって勉強だけに集中するのは大変かもしれません。私は高校2年の終わりにSNSを断ち、「SNSを見たら大学に落ちる」と暗示をかけました。SNSを見なくなった分、勉強に使える時間が結構増えました。また、「SNSを見ない」という自分のルールをずっと守ったことが自信にもつながりました。勉強は適切な努力をすれば報われます。時にはゲーム感覚で楽しみながら難問を解いてください。理三に限らず、受験生は皆しんどいこともあるかもしれませんが、多くの人にとって一生に一回の受験、頑張ってみてください。