「メラノイジンにはインスリンの過剰分泌や糖の中性脂肪化をブロックする作用があります」

 赤みそを選ぶときのヒント。色が濃いものほどメラノイジンが多く含まれているそうだ。

 リンゴ酢も重要な役割を果たしている。昔から早食い・ドカ食いは肥満につながりやすいと言われてきたが、それは血糖値の急上昇を招きやすいから。急上昇もよくないが、その後の急低下も人体に悪影響を及ぼす。こうした乱高下は「ジェットコースター血糖」などと呼ばれ、頻繁に繰り返していると血管を傷める。その結果、脳卒中や心筋梗塞を引き起こす恐れがある。

「リンゴ酢に含まれる酢酸には血糖値の急激な上昇を抑える作用があります。酢は胃の内容物を消化・吸収する動きを鈍らせるともいわれます。リンゴ酢が入ることで、満腹感が増し、過食の防止も期待できます」

 砂糖や果糖ぶどう糖液糖などの糖分が入っていない酢なら、米酢でも玄米酢でも代用できる。

 玉ねぎを加えるのは、オリゴ糖が多く含まれているからだ。オリゴ糖は代表的な善玉菌であるビフィズス菌のエサとなる。ビフィズス菌などの善玉菌は腸内で食べ物を分解し、「短鎖脂肪酸」を作り出す。この物質には、体の細胞内に脂肪を取り込むのを防ぐ働きがある。

「玉ねぎをすりおろすのは、含まれている辛味成分が空気に触れるとアリシンと呼ばれる物質に変化するためです。アリシンは血液をサラサラにし、疲労回復を促します。同じく玉ねぎに含まれるケルセチンという成分も血管の老化を早める活性酸素を除去し、内壁をしなやかな状態に保ってくれます」

 玉ねぎ効果で血流がよくなれば老廃物の排出スピードも速まる。それが代謝を改善させ、痩せやすい体質作りにつながる。

 ラクやせみそ汁では腸内環境を整えること、血糖値の急上昇を抑えることを重要視している。

「適正体重に戻すために、過酷な食事制限や激しい運動は必要ありません。最も重要なのは腸内環境を整えることです。太りやすい体質の人と太りにくい体質の人がいますが、両者を分かつ要素の一つは、腸内環境(腸内細菌の種類)の違いです」

 先ほども述べたが、太りにくい人の腸内では善玉菌が多く生息し、活発に短鎖脂肪酸が作られている。小林さんは順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した腸の専門家でもあり、腸内環境の改善を重視しているのだ。

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