
巨人・丸佳浩にとって「今後を考える大事な年」になりそうだ。シーズン開幕前に下半身の故障で離脱、年齢的にも今までのように「走攻守」全てでチームに貢献することはできそうもない。自身の特性を最大限に活かせるよう、時には「手を抜く」方法を探すべき時期に来ている。
【写真】育成出身で活躍できず、移籍後の球団で日本一に貢献したのはこの投手
巨人は開幕戦からヤクルト相手に東京ドームで3連勝、セ・リーグ連覇とその先の日本一へ向けて順調な滑り出しを切った。しかし昨季多くの試合で一番打者を務め、チームを牽引した丸の姿はなかった。
「出塁率の高い選手が一番にいることで、相手チームは初回から恐怖を感じる。そういう小さな重圧の積み重ねが、1試合、そしてシーズンが進むにつれて効いてくる。丸はそうやって相手を弱体化させることができる選手。阿部慎之助監督は早期復帰を願っているはず」(巨人OB)
丸は3月22日のロッテとのオープン戦(東京ドーム)で走塁中に右足を負傷、「右大腿(だいたい)二頭筋筋損傷」と診断された。広島時代の2010年以来15年ぶりに開幕戦への出場が叶わず、戸郷翔征は打席に入る際に丸の登場曲を使用するなど周囲への影響も大きかった。
「いわゆる『右足ハムストリングの肉離れ』で厄介な症状。全ての動作に関わる部位なので、完治しないと従来のパフォーマンスが戻らない。クセになりやすく再発の可能性も高い。今年36歳という年齢的なものもあり、完治までに時間はかかるはず」(在京球団編成担当者)
「多くの選手が苦労した症状なので、時間が必要なことは丸が一番理解している。それでも明るさを失うことなく、今できることに真摯に取り組む姿には頭が下がる」(巨人関係者)
開幕時にはジャイアンツ球場室内で軽めのマシン打撃を再開した。「僕の場合は走れてなんぼだと思うので……」と丸自身は語るが、同箇所を再び痛めれば選手生命にも関わる。治療とリハビリに慎重を期するのはもちろん、今後についても考えているかもしれない。
「年齢と共に以前のようなプレースタイルを維持できなくなる。『走れる』ことの意味も、これから先は変化するはず。長野久義のようなメリハリある走りを目指すべき。怪我は残念だが、今後を考える意味で良い期間とも思う」(巨人OB)