中日に新加入したマラー(写真提供・日刊スポーツ)
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 いよいよ今週金曜日の28日に開幕するプロ野球のペナントレース。オフには様々な動きがあったが、中でも影響が大きいと見られるのが主力投手がメジャーに移籍した球団だ。どの球団もエース級が抜けただけにそのマイナスは大きいと見られるが、果たして穴を埋めるような選手の見通しは立っているのだろうか。オープン戦の戦いぶりなどから探ってみたいと思う。

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 まず数字的に最もマイナスが大きいのが菅野智之(オリオールズ)の抜けた巨人だ。近年は故障もあって低迷していたが、昨年は鮮やかに復活し15勝3敗と12もの貯金を稼いでレギュラーシーズンのMVPにも輝いている。その穴を埋めるためにオフにも補強に動いたが、先発ではないものの最大のプラスは抑えのマルティネスの加入だろう。

 現役のクローザーでは最も安定している投手であり、昨年まで抑えを務めていた大勢を8回に回すことで盤石のリレーとなる可能性は高い。そうなると昨年まで8回を任せられていた投手は7回以前に起用できることになり、自然と先発投手への負担も少なくなるはずだ。また、場合によっては多くの投手を起用しながら戦う“ブルペンデー”を採用する試合が出てくる可能性もあるのではないか。

 先発候補としては楽天を自由契約となった田中将大を獲得。カブス戦で登板回避したことで不安の声も聞かれたが、20日にはイースタンリーグのDeNA戦に先発して4回を投げて1失点とまずまずの投球を見せている。かつてのような大活躍とはいかなくてもある程度の投球回を稼いでくれることは期待できそうだ。

 そしてそんな田中以上に嬉しい誤算となりそうなのがDeNAを自由契約となって加入した石川達也だ。キャンプ、オープン戦で結果を残し、16日のカブス戦でも3回を投げて無安打無失点と好投。開幕ローテーション入りをつかみ取って見せたのだ。入団当初はリリーフでの起用と思われていただけにここまで結果を残すと考えていたファンも多くなかったのではないだろうか。若手で期待されていた西舘勇陽、京本眞などがアピールできなかったのは残念だが、思わぬところから菅野の穴を埋める存在が出てきたという印象だ。

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