16時間断食の注意点やデメリットは?
「糖尿病で薬物治療を受けている人は低血糖の恐れがあります。まずは主治医へ相談を。デメリットとしては、一つは脂肪と共に筋肉が落ちてしまう点。私はエレベーターではなく階段を使うなどして、筋肉を鍛えるようにしています。二つめは、食後血糖値が上昇しやすく、胆石の発生が高まる点です。メリットがデメリットを上回ると判断されるなら、16時間断食を実践してみてください」
断食施設の利用も
日常生活には誘惑が多くて──。そんな人は、断食施設の利用という選択肢がある。
「『おなかを空かせてみたら、食事ってこんなにおいしいんだと身をもって分かった』といった感想をよく聞きます」と言うのは、伊豆高原で3店舗の断食施設を展開する「やすらぎの里」代表の大沢剛さん。
「食も刺激の一つ。ネオンの光もない静かな山の中で、食を含めたさまざまな刺激から離れ、心身を労り、整える時間を作れる。自分へのご褒美として来られる人も多いです」
具なし味噌汁、フレッシュスムージー、生姜紅茶などを取り入れながらの断食だ。最長コースでは6泊7日で断食を行うが、「意外とおなかが空かない」「全然平気な自分に驚いた」という声が上がる。館内ではWi-Fiを自由に使えるものの、せっかくの非日常を味わえる機会だからと、パソコンやスマホはバッグにしまったまま。就寝時間は決まっていないが、大抵の人は「普段ならまだまだ寝られない」といった時間からベッドに入り熟睡する。
大沢さんが言う。
「食べないことが強いストレスになるなら逆効果。食べない時間をリラックスに変えてほしいのです。日常生活でも、ちょっと疲れが取れないと思ったら夕食を食べないで、その空いた時間を普段できない自分へのケアに使ってください。おすすめはお風呂屋さん。銭湯でもサウナでもいいのですが、お風呂に浸かっている間やサウナの間はスマホも見られませんよね。体も温まり、心身が休まり、夜ぐっすり眠れます」
明日への活力のために、あなたのそばに「空腹」を。(ライター・羽根田真智)
※AERA 2025年2月17日号より抜粋
![](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/6/0/800m/img_604853d2f9b5a3021c235cccf433e9f6707311.jpg)
![](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/f/2/846m/img_f276e3d6f91b353ae78ee6836eb0d5dd3470537.jpg)