一方、不安かつ不満のストーブリーグを過ごしているクラブもある。まずは横浜F・マリノスだ。新監督に元イングランド代表ヘッドコーチのスティーブ・ホランド氏を迎え、退団の噂もあった外国人勢を残留させたが、先述した西村拓真、小池龍太に加え、エドゥアルド、畠中槙之輔、上島拓巳のDF陣に、ベテランの水沼宏太ら多くの選手が今冬に退団した。
代わりに万能アタッカーのFW遠野大弥(←川崎フロンターレ)、左SBの鈴木冬一(←京都サンガ)、GK朴一圭(サガン鳥栖)を獲得したが、やや地味な印象は拭えない。人材不足となったCBの救世主として獲得したコロンビア人の27歳DFジェイソン・キニョーネスが期待通りの働きを見せることができなければ、一気に窮地に陥る。元々、選手層は厚く、ユース昇格組の成長も楽しみではあるが、Jリーグ王者となったポステコグルー、マスカット体制時と比べると戦力ダウンした感は否めない。
年明けから予想外の事態に見舞われ、期待と不安が入り混じっているのが、ガンバ大阪だ。昨季4位フィニッシュでポヤトス体制2年目だったチームの成長を多くのサポーターが感じ、今季のタイトル獲得への期待も高まっていた中、求めていた左利きのCB佐々木翔悟(←ジェフ千葉)、サイドアタッカーの奥抜侃志(←ニュルンベルク)を確保し、超高校級MF名和田我空(←神村学園高)の獲得にも成功。さらにレンタル先で成長したFW南野遥海(←栃木SC)、FW唐山翔自(←ロアッソ熊本)を呼び戻した。
だが、昨季10得点を挙げて新エースとしてさらなる飛躍が期待されていたFW坂本一彩、中盤で多くの役割をこなしていたMFダワンが相次いで海外移籍。怪我から復帰して昨季終盤戦に戦力となっていた福田湧矢も退団した。いずれも代わりの人材がチーム内にいるとはいえ、特に昨季の中心選手だった坂本とダワンの流出は大きな痛手であることは間違いない。優勝を狙うつもりならば、今後の追加補強に「期待」、と言うよりも「必至」だと言える。