GMに復帰した楽天の石井一久氏
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 楽天イーグルスの石井一久シニアディレクターが、1月1日付でゼネラルマネージャー(GM)に就任したことが、球団から発表された。3年ぶりのGM復帰となる。

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 球団OBは驚きを隠さない。

「他に人材がいないんですかね。三木谷浩史オーナーと関係が良好な石井さんしか頼る人間がいないというのが現実なのでしょう。ただ、石井さんを招聘して以来、チームが良い方向に向かっているとは感じられないんですが……」

 石井氏は2018年9月にGMに就任。同年1月に逝去した星野仙一球団副会長の後任として編成部門のトップに立つと、他球団の主力選手を次々に補強する手腕で話題になった。FA権を行使して争奪戦となった浅村栄斗、鈴木大地の獲得に成功し、メジャーから日本球界復帰を決断した牧田和久(現ソフトバンク2軍投手コーチ)のほか、涌井秀章(現中日)、炭谷銀仁朗(現西武)、日本ハムを退団した西川遥輝(現ヤクルト)など実績のある選手たちを獲得。21年の開幕前には8年ぶりにメジャーから日本球界に戻った田中将大(現巨人)も楽天に復帰させた。

 だが、優勝争いに絡めないシーズンが続き、チーム力が上がった実感はない。チームのビジョンが見えないことも、ファンの不満を増幅させた。19年オフに平石洋介監督を1年で解任。平石監督は恵まれた戦力と言えない中で前年の最下位からチームを3位に上昇させたが、石井GMが「(3位は)僕の中では3段階に分けたらBクラス」と発言したことに批判の声があがった。翌20年は三木肇監督が指揮を執ったが、4位に終わると、またわずか1年で2軍監督に配置転換。場当たり的な監督人事に、球団内部からも「誰も監督を引き受けなくなる」という声が聞かれた。

 21年には石井GMが兼任で監督に就任。そのシーズンは3位、22年は春先に貯金を重ねて首位を独走したが、その後失速して借金2の4位に終わる。かつて「3位はBクラス」と発言したことが蒸し返され、ファンからは石井氏の辞任を求める声もあがった。23年シーズンは監督専任として臨んだが、Bクラスの4位と結果を残せず監督を退任。だが、24年はシニアディレクターに就任した。

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球団OBは安楽問題で石井氏に厳しい発言