
FA権を行使した選手たちの去就が、続々と発表されている。
【写真】「2億円」が「400万円」に急降下 球史に残る“大減俸”を味わった選手がこちら
阪神の主砲・大山悠輔は巨人が獲得に乗り出し、移籍が濃厚かと思われたが、阪神残留を決断した。楽天の茂木栄五郎は、ヤクルトへのFA移籍が決定。近年は故障や若手の台頭で出場機会を減らしていたが、コンディションを取り戻せば復活が期待できる。「強打の捕手」として他球団から評価が高かった大城卓三(巨人)、昨季38年ぶりの日本一に大きく貢献した扇の要の坂本誠志郎(阪神)、首位打者獲得経験がある佐野恵太(DeNA)は、いずれもFA権を行使せず残留を選んだ。
結論が出ていない選手たちもいる。今季4度目の最多勝に輝いた菅野智之(巨人)は海外FA権を行使してメジャー挑戦を表明、本格的な交渉はこれからになる。甲斐拓也(ソフトバンク)は巨人移籍かソフトバンク残留で悩んでいる様子。石川柊太(ソフトバンク)は巨人、ロッテ、ヤクルト、オリックスが獲得に乗り出す中で熟考し、ヤクルトには断りを入れたことが12月6日に報じられた。石川の今季推定年俸は1億2000万円。人的・金銭共に補償が発生しないCランクであることも他球団から人気を集める理由だ。
その中で「評価は石川より上」と複数球団が熱視線を送っているのが、海外FA権を行使した九里亜蓮(広島)だ。
「海外FA権だが国内移籍も消えていない」
「以前からメジャーに興味を抱いており、海外FA権を行使しました。ただ、九里の場合は菅野と違い、国内他球団への移籍の選択肢を消したわけではない。メジャー各球団との交渉は年明け以降になる可能性があるので、石川の争奪戦に敗れた球団も九里の獲得レースに参戦することが考えられます」(スポーツ紙デスク)
九里は21年に13勝をマークして最多勝に輝くなど、先発ローテーションで稼働してきた。スライダー、カットボール、ナックルカーブ、チェンジアップ、フォーク、ツーシームと多彩な変化球を駆使。スタミナも十分で、昨年は両リーグで最多の174回1/3を投げている。肩や肘に大きな故障がなく、先発で計算できるのが大きな魅力だ。今季は7勝10敗、防御率3.21。投球回数は131回2/3と規定投球回をクリアできなかったが、8年連続で100イニング以上を投げている。オリックス、DeNAが獲得に向けて調査を行っていることが報じられたが、他の球団も評価が高い。