現代日本に生きる女性たちは、いま、何を考え、感じ、何と向き合っているのか――。インベカヲリ☆さんが出会った女性たちの近況とホンネに迫ります。
【写真】大卒で手取り13万円、生活がギリギリすぎて副業で風俗を始めた
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出会いはアダルトライブチャット
「夫は、アダルトライブチャットのお客さんでした」
インターネットが普及してから男女の出会いの場は大きく広がったが、地方都市出身である日葵さん(仮名/30代)の夫との出会いは、かなり変わっていた。
アダルトライブチャットとは、スマホやパソコンのWEBカメラを通して、男性客と性的な会話をしたり、服を脱いだりして生配信するサービスのことだ。日葵さんはそこで、性的サービスを提供するチャットレディとして働いていたのである。
引退して主婦となった今は、ナチュラルメイクで落ち着いた雰囲気だ。が、当時はアイドルのようなルックスを生かして、「少女っぽさ」を売りにしていたらしい。
お互いに「会いたいね」
とはいえ、直接対面する風俗店とは違い、ネットでつながるライブチャットは、物理的な距離がある。どうやって特別な関係に発展したのだろう。
「夫は最初から性欲を感じさせない人で、たくさんいるお客さんの中で、一人だけエッチな要求をしてこなかったんです。それがうれしかったんですね」
何度もアクセスしてきては会話だけを楽しんでいる彼に、気が付くと日葵さんは、個人的な話や、仕事の愚痴などを話すようになっていた。お互い「会いたいね」と言い合うようになり、WEBカメラ越しに連絡先を聞くと、関西に住む彼の元まで会いにいったという。その後、とんとん拍子で結婚し、数年が経つ。
「今も仲良しです」
そう断言する日葵さんだが、「エッチな要求がない」のは、今も変わらないようだ。
セックスはしない
「夫は残業が多いけれど、いつも深夜まで待って一緒にご飯を食べます。一緒に布団に入って、手をつないだりハグしたりキスしたりするけれど、セックスはしない。夫は、もともと性欲が薄いんです。
私は体を求められないほうが愛情を感じるんですね。たぶん風俗で接客していたせいだと思うんですけど、エッチなことイコール、性的な道具として扱われている感じがしてしまって、ないほうが人として見てくれている気がしてうれしい。でも、そう思うっておかしいですよね?」
だが、それゆえに、相性がバッチリ合ったということだ。
なぜそもそも風俗業界に足を踏み入れたのだろう。