欲しいものなくても「稼がなきゃ」
「なんなんですかね? お金遣いが荒いわけではないんですよ。服はしまむらでいいし、下着はユニクロでいい。生活費が足りなくなったら、夫に『ちょうだい』って言えば、たぶん貰えるんですよ。でも、なぜか言いづらい。で、自分の貯金が100万円を切ったりするとかなり焦って、欲しいものもないのに『稼がなきゃ』って気持ちになる。お金に対するコンプレックスなのかな?」
その感情は、子ども時代の体験に由来するようだ。
「家がずっと貧乏で、自分のものを買ってもらえたことがほとんどないんですよ。必要なものは全部近所のお姉さんからのお下がりで、それも10歳以上離れていたから、どれも昭和テイスト。誰も持っていないような筆箱とか、古いデザインの服を恥ずかしい気持ちで着る、みたいな。流行りのものを持っている子がうらやましかったけど、見ているだけで、親には言えない関係性だったんです。幼少期のトラウマというか、植え付けですかね。今も貧乏性は治らないし、人におねだりすることができないんです」
夫の収入は知らない
そのため、貯金が減ると不安になり、自分でなんとかしなきゃという気持ちになるようだ。
「夫がお金の管理をしていることとも関係あるのかな。なんとなく収入があるっていうことがわかるくらいで、全体が把握できないんです。本当は『通帳見せて』って言いたいけど、『君のも見せて』って言われたら困るから言えない。謎の入金があるから」
通帳の履歴から、風俗やパパ活で稼いでいたことがバレてしまうことを、日葵さんは恐れていた。
風俗の仕事で自己肯定感が上がる
一方で、こんなことも言う。
「風俗の仕事は結構楽しいんです。なんか自己肯定感が上がるんですよ。だから、またすぐやりたくなるかもしれない」
性欲を向けてこない男性に愛情を感じながら、風俗で働くことで自己肯定感が上がる。
一体どういうことなのだろう。
「なんだろう。お客さんが予約してくれたり、リピートが増えていったりすると達成感があるんですよ」
日葵さんは、男性受けする容姿に加え、コミュニケーション能力が高いことも影響しているのだろう。聞けば、そうとうな売れっ子だったらしい。