落選後に敗戦の弁を語る丸川珠代氏(撮影/上田耕司)
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「どうかお助けください!」。総選挙期間中の街頭演説で、涙ながらにそう訴えた丸川珠代元五輪担当相(53)が落選した。822万円の“裏金”が発覚した丸川氏について、東京7区の有権者は「助けない」という選択をしたことになるが、そこにはかなり強い“怒り”があったようだ。地元の有権者や支援者らを取材した。

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 総選挙の投票が締め切られた27日の20時。NHKの開票速報が始まると、最初に当選確実の「即打ち」が流れたのは、東京7区の松尾明弘氏(立憲民主党)だった。投票が締め切られた直後、丸川氏の落選が決まったのだ。

 前述のように、選挙期間中は「お助けください!」と懇願したり、応援に駆け付けた安倍晋三元首相の妻・昭恵さんと涙を浮かべながら抱き合ったりと、感情をあらわにすることも多かった丸川氏。その理由について、丸川氏を支援した自民党区議はこう話す。

「テレビ朝日のアナウンサーから政界に入ったのは安倍元総理のお声掛けがあったからです。政界入り後もかわいがってもらっていたし、安倍さんが亡くなったことに相当ショックを受けていた。だからこそ、昭恵夫人が応援に来てくれたのは感無量だったと思います。丸川さんは(演説の)第一声の時も涙ぐんでいたけれど、支援者が集まったところでは、何かグッとくるものがあるのだと思います」

 だが、落選確実が決まってからはまったくのノーリアクション。丸川氏が事務所に現れたのは、落選報道から2時間以上が経過した午後10時過ぎになってからだった。その瞳がうるんでいたことからも、心を整理するのに2時間余りの時間が必要だったのかもしれない。

 選挙カーもジャケットも「赤」がイメージカラーだった丸川氏は、この日は黒のジャケットに黒のパンツ姿。平静を装いつつ、こう切り出した。

「しっかりと、みなさまにご信任をいただくことができず、誠に申し訳ございませんでした」

 そう言って深々と頭を下げる丸川氏。記者から「政治とカネ」の問題について質問されるとこう答えた。

「大きく影響したと思っています。私も言葉の限りを尽くして説明をさせていただいたつもりですが、それがご信頼を得るには至らなかったということだと思います」

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「負けるはずのない選挙だった」