名城大学時時代の野口泰司
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 今月24日に迫ったプロ野球ドラフト会議。過去を振り返ってみると、高校からすんなりNPB入りを果たす選手がいる一方で、なかなか指名されない選手がいることも事実だ。これまでプロ志望届を提出しながら指名漏れを経験し、その後に成長して着実にNPBに近づいている選手は誰がいるのだろうか。

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 今年のドラフト候補でまず名前が挙がるのが野口泰司(NTT東日本・捕手)だ。栄徳高校時代も愛知県内では評判のキャッチャーで、志望届を提出したものの指名はなく名城大に進学。大学では全国大会でも活躍し、4年時には大学日本代表にも選ばれるまで成長した。しかし守備面の不安もあって再び指名漏れ。卒業後にはNTT東日本へ入社することとなった。

 社会人1年目は指名打者での出場が多かったが、今年は守備力が大きく向上して正捕手に定着。都市対抗予選では4番・キャッチャーとして攻守にわたる活躍を見せてチームを2年ぶりの本大会出場に導いた。打てる捕手はプロでもなかなかおらず、球界全体が投高打低となっている中で貴重な存在だけに、高い順位で名前が呼ばれる可能性も十分にあるだろう。

 今年の大学4年生は高校3年時に新型コロナウィルス感染拡大の影響で春夏の甲子園大会が中止となった世代である。その年にはNPB入りを目指す選手への救済措置として東京ドームと甲子園で「プロ志望高校生合同練習会」が行われた。この合同練習会に参加しながら指名漏れとなり、大学でもNPB入りを目指して再びプロ志望届を提出している選手もいるが、その中で指名の可能性がありそうなのが末田龍祐(愛知学院大・捕手)、井上幹太(金沢学院大・外野手)、寺本聖一(広島経済大・外野手)の3人だ。

 末田は上の学年に力のある選手がいたこともあって正捕手に定着したのは4年になってからだが、スローイングは間違いなく大学生でもトップクラス。課題の打撃も力強さは増している。今年は大学生に有力捕手が少ないだけに、リストアップしている球団もあるだろう。

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将来的に“目玉”になりそうな選手も