井上は1年秋から中軸に定着してヒットを量産し(1年春はコロナ禍でリーグ戦中止)、大学日本代表候補にも選出された左の強打者。タイミングをとる動きは独特だが、パワーだけでなく対応力の高さも魅力だ。寺本も上背はないもののフルスイングが光る強打の外野手。怪我に苦しんだ時期もあったが、今年は春秋ともに安定した成績を残し、6月の大学選手権でもツーベースを含む2安打を放ってアピールした。

 大学生で挙げた3人と同じ学年で、独立リーグからプロ入りを狙う選手もいる。今年候補となりそうなのがともにBCリーグでプレーしている長尾光(茨城アストロプラネッツ・投手)と石川慧亮(栃木ゴールデンブレーブス・外野手)の2人だ。

 長尾は昨年まで3年間埼玉でプレーし今年から茨城に移籍。年々スピードはアップし、9月12日に行われた巨人三軍との交流試合でも好投を見せた。安定感は課題だが、ボールの力は申し分ないだけに面白い存在だ。石川は1年目から栃木でレギュラーに定着。こちらも年々力をつけており、今年は54試合で打率.337、11本塁打、51打点で打点王に輝いた。66安打中30本が長打とパンチ力が魅力で、貴重な右の強打者タイプだけに指名を検討している球団も多いだろう。

 ここまでは今年の候補を挙げたが、来年以降の有力候補にも指名漏れ経験者はいる。現在の大学3年生で来年の1位候補に挙げられているのが堀越啓太(東北福祉大・投手)だ。花咲徳栄時代も控え投手ながらサイドから140キロを超えるストレートを投げ込み注目を集めたものの、指名はなく東北福祉大へ進学。大学で驚くほどのスピードアップを果たし、コンスタントに150キロ台中盤をマークするまでになった。

 タイプとしては本人も目標と話している大勢(巨人)と重なり、ストレートは数字に見合う威力がある。変化球も年々レベルアップしているのもプラス材料だ。この秋は勝った方が優勝決定となる仙台大との試合で自らの悪送球でサヨナラ負けを喫するという結果に終わっただけに、その悔しさをバネに来年はさらなる飛躍を期待したい。

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