「監督になるのは野球人のロマン」だったのは昔の話になった感もある。選手の年俸MLBと比べると大きな差が開いてしまったものの、以前に比べれば高くはなっている(2024年の平均年俸は過去最高)。しかし監督の年俸はそうではなく、今季最高額の巨人・阿部慎之助監督は1億5000万円とまずまずの給料を手にしているが、最も安かった楽天・今江監督(4000万円)など、1億円以下のケースも多い。

「収入だけを考えれば監督などの現場に固執しなくても、現役時代から生活レベルを落とさずに生きる道もある。ロッテOB・里崎智也氏はYouTuberとして活躍、年収1億円超えを公言している。その他でも高木豊氏などYouTubeで成功しているプロ野球OBは少なくない」(プロ野球に詳しいスポーツライター)

 現役時代は阪神のスター選手としてプレーした鳥谷敬氏も未来の監督就任を望まれる1人だが、「球団とか入ると、人間関係が面倒くさいじゃないですか」と自由に生活したいことを公言。野球解説だけでなくバラエティ番組への出演など、多岐にわたる活躍を見せている。

「監督を希望する人材が減った理由はお金だけではない。勝敗や采配などでかかる重圧は相当で、結果次第では容赦のない批判にも晒される。近年はSNSを通じて誹謗中傷が止むこともない。よほどの思いや覚悟がないと引き受けるのに二の足を踏むはず」(在京球団編成担当)

 特に“勝ち負け”の出るスポーツではネット上を中心に誹謗中傷が絶えない。今夏のパリ五輪でも数多くのアスリートが心無い声に傷つけられたことは記憶に新しい。野球界も同じでNPBや各球団が注意喚起しても止むことはない。監督職を全うするためには強い精神力が何よりも必要になりそうだ。

ヤクルト・高津臣吾監督とロッテ・吉井理人監督は来季もよく引き受けたと思う。両チームとも決して満足いくシーズンではなく、ネット上を中心に大きな批判を受けていた。各球団の事情もあるだろうが、2人の野球への純粋な気持ちが強かったのだろう」(スポーツ新聞野球担当デスク)

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今後は監督業が人気になることはあるのか