中日は井上一樹二軍監督が“内部昇格”で来季から一軍を指揮する
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 プロ野球の監督人事は“内部昇格”がトレンドになりつつある。球団OBを含めて外部からの招聘は少なくなり、現職の二軍監督やコーチからの抜擢が増えたのはなぜなのだろうか。

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 NPBではレギュラーシーズン終盤から続々と監督退任が公表されている。中日・立浪和義監督は9月18日の試合後に自ら退任を表明。その後も10月6日にオリックス・中嶋聡監督、阪神・岡田彰布監督、9日に西武・渡辺久信監督代行、11日に楽天・今江敏晃監督の退任が各球団から発表された。

「例年以上に多くの球団で監督交代が進んでいる。クライマックスシリーズ(以下CS)の結果次第では他にも監督が代わる球団もあるかもしれない。契約期間内での途中交代もあって賛否両論が吹き荒れている」(スポーツ新聞野球担当デスク)

 レギュラーシーズンが終わると新たな指揮官も続々と発表され始めた。中日・井上一樹(二軍監督)、オリックス・岸田譲(投手コーチ)、西武・西口文也(二軍監督)、楽天・三木肇(二軍監督)と内部昇格が多数を占める(カッコ内は今季の役職)。

「CSを戦っている日本ハム・新庄剛志監督の去就も、言動を見ている限りどうなるかわからない。仮に退任した場合には稲葉篤紀二軍監督の昇格が濃厚と見られている。内部昇格がここまで多いのはプロ野球の歴史上でもなかったこと」(プロ野球に詳しいスポーツライター)

 現時点で内部昇格以外で監督就任が決まったのは阪神・藤川球児氏のみ。「内部昇格で監督になるのは会社組織内の人事異動のようだ」という声も挙がっている。

 2003年オフには原辰徳氏が巨人の監督を退く際、当時の渡辺恒雄オーナーが「読売グループ内の人事異動」と言ったことがある。同様のことが時間を経て他球団にも波及したということだろうか。

「監督になりたい人が少ないということ。再登板へ向けてワンクッションを置く形だった原氏のケースとは事情が違う。今は監督という職業の魅力が薄れてしまっている。名将になっても年俸は想像以上に低く、責任の重さと釣り合いが取れないと感じるのだろう」(在京球団編成担当)

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球界OBには監督以外にも“魅力的な仕事”