パ・リーグの他球団も、レイエスを補強できれば日本ハムの戦力を削ぐこともできるので、獲得レースに参戦する可能性がある。3年連続Bクラスに終わった楽天は15年から20年のオフに、今江敏晃(現楽天監督)、岸孝之、浅村栄斗、鈴木大地、涌井秀章(現中日)、牧田和久(現ソフトバンク3軍投手コーチ)、田中将大と毎年のように他球団から主力選手を外部補強していた。近年は本格的な補強に動いていなかったが、今オフはどうするか。主砲の浅村栄斗が打撃不振でスタメンを外れるなど打率.253、14本塁打と不本意な結果に終わり、来日2年目のフランコも打率.218、8本塁打と確実性を欠いた。レイエスを獲得できれば、大きなプラスになることは間違いない。
今年4年ぶりのV奪回を飾ったソフトバンクは豊富な資金力を持つ。だが、守備の負担も考えて柳田悠岐、近藤健介、山川穂高を指名打者で起用しており、レイエス獲得でチームのバランスが崩れる危険性がある。外野も柳町至、正木智也、川村友斗が台頭しており、現有戦力の底上げに力を入れ、レイエス争奪戦には参加しなそうだ。
新庄監督の続投が去就に影響
他球団の渉外担当は「新庄監督が来季も続投するかどうかが、レイエスの去就に大きく影響するのでは」と推察する。
「レイエスは新庄監督に強い信頼感を寄せているので、来季も続投となれば日本ハム残留の可能性が高いと思います。もし新庄監督が今年限りで勇退となれば、状況が変わってくる。生活を含めた環境を大事にするのか、契約年数や年俸などの条件面を重視するのか、自分が欲しいという熱意を感じる球団に行きたいのか……。本人の心中は読めません。ただ、日本ハムファンが残留を熱望する声がレイエスの耳には間違いなく届いていると思います」
まだ戦いは続いている。12日から始まるCSで、レイエスは仲間たちとともに、下克上を目指す。争奪戦が本格化するのは、その後だ。
(今川秀悟)