2年連続最下位から2位へ躍進した日本ハム。レギュラーシーズンのホーム最終戦となった9月29日のソフトバンク戦(エスコンフィールド)の試合終了後、セレモニーで新庄剛志監督がファンに異例のお願いを呼びかけた。
「皆さんにひとつお願いがあります。来年レイエスとマルティネス、ファイターズのユニホームを着てほしくないですか? よそのチームのユニホームは似合わないですよね? 皆さん、『どこも行かないで運動』を始めてください!」
本塁打数はリーグ2位
来日1年目のレイエスは、日本ハム打線に不可欠な存在になった。春先は異国の地で相手バッテリーの配球に、戸惑いがあったのだろう。打撃不振からなかなか抜け出せず、5月中旬からファームで1カ月再調整した。だが、6月15日に再昇格すると試合を重ねるにつれて調子を上げていく。8月は打率.403、8本塁打、23打点で初の月間MVPを獲得。9月以降も打率.311、9本塁打、20打点と殊勲打が目立った。シーズンを通して103試合出場で打率.290、25本塁打、65打点をマーク。規定打席に達しなかったが、本塁打数はタイトルを獲得した山川穂高(ソフトバンク)に次ぐリーグ2位だった。ナインにもすっかり溶け込んでムードメーカーとなり、レイエスが打つとチームが活気づく。本塁打を打った試合は17勝5敗1分と大きく勝ち越している。
他球団の選手はこう語る。
「速い球に強いし、変化球の対応力も高い。もっと振り回す選手かなと思ったら、ボール球に手を出さないし、追い込まれたらコンタクト重視で走者を還す打撃ができる。凄くクレバーな選手だなと。来年、再来年と日本でプレーしたらどんどん良くなると思いますよ」
一昔前は各球団の助っ人外国人がタイトル争いに絡んでいたが、NPBの投手のレベルが上がった現在は状況が変わった。パ・リーグで規定打席に到達した外国人選手はソト、ポランコ(共にロッテ)、マルティネス(日本ハム)の3人だけ。主要タイトルを取った選手はいない。セ・リーグも規定打席に到達したのは初の首位打者に輝いたオースティン(DeNA)とサンタナ、オスナ(共にヤクルト)の3人だけだ。日本で十分に実力が通用することを証明したレイエスに、他球団が熱視線を送るのは当然と言える。