リプレー検証を求めてリクエストをする阪神・岡田監督
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 シーズン終盤に入り、優勝争い、CS争いを巡り各球場で緊張感あふれる試合が繰り広げられている。一つのプレーの判定が試合の流れを左右する中で、リプレー検証の判定が波紋を呼ぶケースが続いている。

【写真】日本とは大違い。メジャーのリプレー検証を統括する「ビデオ判定センター」

 9月15日の阪神ヤクルト戦(甲子園)。3回に阪神・近本光司が二塁に盗塁を試みたが判定はアウト。岡田彰布監督はリクエストを要求したが、リプレー検証の結果、判定は覆らずアウトだった。同じ試合で、阪神1点リードの7回1死二塁で前川右京が右前打を放ち、二塁走者の大山悠輔が本塁生還。リードを2点差に広げたかに見えたが、今度はヤクルト・高津臣吾監督がリクエストを要求すると、リプレー検証の結果、捕手・内山壮真のタッチが早かったとアウトの判定に覆った。甲子園の阪神ファンがざわめき、岡田監督は驚きの表情を浮かべた。

「近本、大山がアウトになった場面は、どちらも球場内に流れたリプレー映像を見ると、アウト、セーフの確証ができません。近本の判定は覆らなかったので、大山の判定も覆らないと感じた観客、視聴者は多かったと思います。判定に疑念を抱いてしまうのは、審判団だけの問題ではありません。球場内に設置されているカメラの台数が少なすぎます。リプレー検証後の判定を現場の審判が行うことも公平性の観点から疑問です。審判団の負担を軽減するためにも、リプレー検証の環境を見直す必要があると思います」(スポーツ紙デスク)

 この試合は阪神が2-1で逃げ切ったが、もし逆転負けを喫していたら、さらに大きな波紋を呼ぶ可能性があった。首位・巨人と熾烈な優勝争いをしているだけに、判定が影響して試合の勝敗に影響が出ることになれば悔やんでも悔やみきれない。

 7月30日の日本ハムオリックス戦(エスコンF)でも、森友哉の先制アーチを巡る判定が物議を醸した。2回の先頭打者で打席に入った森がすくあげた打球は、右翼のポール際を通り、一塁側スタンドへと飛び込んだ。審判は本塁打と判定したが、中継映像を見るとポールの外側を通るファールにも見える。日本ハムはリクエストを要求したが、リプレー検証後も判定は覆ることはなかった。

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メジャーは各球場にリプレー検証用カメラを設置する