大谷翔平(ドジャース)に注目が集まるなか、メジャーでは他の日本人選手も奮闘している。(記録は日本時間9月5日終了時)
【写真】巨人からただ一人、ポスティングでメジャー入りしたのはこの選手
DeNAからポスティング・システムでカブスに移籍した今永昇太は26試合登板で12勝3敗、防御率2.99をマーク。9月4日のパイレーツ戦では7回まで無安打の快投を続けたところで降板し、チームは継投でのノーヒットノーランを達成し勝利した。
日本では勝ち星が評価基準として注目されがちだが、メジャーでは先発ローテーションで稼働している点が評価されている。今永は直球の平均球速が140キロ台と決して速くないが、平均回転数が2400を超える打者のホップするような軌道で空振りを奪える。チェンジアップ、スライダーの精度も高く、153回1/3を投げて155三振を奪っている。
菊池雄星(アストロズ)もブルージェイズからシーズン途中に移籍後、3連勝。登板した6試合すべてでチームが勝利している。同じ左腕でも今永と投球スタイルは対照的だ。150キロ台後半の直球、キレ味鋭いスライダーを武器に力でねじ伏せる。
楽天の守護神として通算236セーブをマークした松井裕樹(パドレス)はFA移籍1年目ですでに60試合登板。序盤は不安定だったが、登板を重ねるたびに安定感が増している。ドジャースを追いかける状況で18年ぶりの地区優勝、2年ぶりのポストシーズン進出に向け、左腕の価値は高まるばかりだ。
米国で取材する通信員は、日本人投手の評価が高い理由を語る。
「今永、菊池、松井の共通点はクレバーであること。メジャーはデータで細かく数値化される。球種、コースによって被打率が明確になる中で、修正能力が高い投手が活躍できる。菊池はアストロズに移籍して以降スライダーの配分を増やし、松井も高めの直球を増やしたことで投球の幅が広がり、安定感が増した。メジャーのスカウトはNPBの映像を取り寄せて、興味のある選手はチェックしています。佐々木朗希(ロッテ)、高橋宏斗(中日)、平良海馬(西武)、宮城大弥(オリックス)の評価が高いですが、他にも良い投手がいる。彼らがメジャーに挑戦となれば複数球団の争奪戦になるでしょう」