西尾典文
筆頭候補としてはやはり宗山塁（明治大・遊撃手）の名前が挙がる。今年の春は怪我もあって5試合の出場、4安打と不本意な成績に終わったが、プロでもトップレベルと見られる高い守備力を誇り、リーグ戦の通算打率が.334と打撃の確実性も魅力だ。この夏のオープン戦、プロ・アマ交流戦では順調な回復ぶりを見せており、1年目からレギュラー争いに加わるだけの力は持っている。かつて不動の遊撃手となった鳥谷敬のように長くレギュラーを務める存在が欲しいだけに、補強ポイントに最もマッチした選手と言えるだろう。
2年連続のBクラスから巻き返して優勝争いを演じている巨人。野手の世代交代が課題と見られていたが、ここへ来て2年目の浅野翔吾がブレイクの兆しを見せており、門脇誠も2年目のジンクスに苦しみながらも徐々に成績を上げている。一方の投手も山崎伊織が2年続けて好成績を残し、菅野智之の復活も大きい。昨年も支配下の指名は大学生、社会人のみだったことを考えても、今年は将来性に振り切っても良いのではないだろうか。
そこで推したいのがDeNAのところでも名前を挙げた198cm左腕の藤田だ。この春から夏にかけて急成長を遂げ、ストレートは最速150キロに到達。これだけの長身でありながら器用さもあり、変化球の制球力もあるというのが魅力だ。左の太い先発の柱が欲しいだけに、ぜひとも狙いたい選手である。
昨年に続いて優勝争いに加わっている広島。しかし、チーム防御率は1位という一方で得点数はリーグ5位と、完全に投手の踏ん張りによるもので、野手のレギュラーを見ても秋山翔吾、菊池涼介、野間峻祥と30歳以上のベテランが多く、そこの底上げが大きな課題となる。ここ数年は投手の1位指名が続いていることからも、そろそろ大物野手を狙いたい。そこでおすすめしたいのが石塚裕惺（花咲徳栄・遊撃手）だ。夏の甲子園では初戦で敗れたものの、その打撃は高校生離れしたものがある。
ラリー遠田
稲垣えみ子
竹増貞信
